盆栽界の一番有名な鉢作家は?
と問えば、ほとんどの人が「東福寺ッ」と答えるでしょう
それほど有名な平安東福寺とはどのような人だったのでしょう
本名を水野喜三郎といい京都の人
明治23年生まれ
作陶の初めは大正7~8年と言われ、本格的には昭和2~3年ごろから
昭和45年没 享年80歳
不器用な職人気質の人柄ゆえ、一生涯を通じ赤貧洗うがごとき生活であったと伝えられます
貧しさのため一生を通じ窯(登り窯)を持てずに借り窯であったようです
そのたため借りる窯の特徴にあわせ胎土、釉薬、大きさ、形を変えねばならなかったのが
その作風の多彩さにつながったともいわれています
とにかく東福寺は膨大な数の作品を我々に残してくれました
一例を上げれば、下の手捻りの丸型鉢は東福寺の定番です
指先で捻られた生地を手で触れてみると、その厚みが驚くほど均等です
熟練の技を感じます
また釉薬も単純でなく深い光沢と微妙な窯変(ようへん)が見て取れます
特記すべきはその足のつけ方です
一見単純な作業に見えますが
後世に作られた幾多の複製品も未だ真似の出来ない技なのです
足の左右からヘラで斜めに削り取るだけの技が余人には真似の出来ない
東福寺独特の技であることを知っておいてください
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