2003年9月20日土曜日

鉢の時代感

盆栽の究極は古さからくる侘びサビを求めるものですから
当然その器物である鉢にも時代感が要求されます

時代の付いた鉢は、人の手で使い込まれた歴史と温もりが感じられるように変化してきます
無機質な器物が使い込みにより、命を吹き込まれ生き物になるのです
これは日本人独特の感性で、DNAに組み込まれたものの見方であると思います


今岡町直の青磁六角鉢です
数十年の使い込みにより、命を吹き込まれています

古色のつき方もそのものがより美しく感じられるような「模様」が大切です
縁のまわりと下方の縄目の帯のあたりに時代感が濃厚で
側(がわ)の面は地色(青磁の釉薬)が見てとれます

盆栽人が「いい時代だね」といえる、温もりのある感じが親しみを感じさせてくれます


どの面も均等に古色がついています


ていねいに使い込んだのです
数十年経っても小さい傷ひとつありません

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