2003年10月31日金曜日

山もみじ点検

この時期、盆栽はみな美しくなりますが、とくに雑木類の変身振りが楽しみです
芽出しの時期から、毎日、芽摘みよ葉刈りよと気にかけてきたわけですから
自分の子供の成長を半年振りに目の当たりにする親の心境です

気が早い人はそろそろ葉を切りとって裸の雑木の点検に入り
半年間の培養の総仕上げ(剪定)をするわけです
この時期から今年一杯くらいがその適期です

この時期がいい理由は、雑木類が休眠状態にあるからです
お正月頃になると、すでに根は活動を始めていて、切ると透明の樹液が流れ出します
樹液は人間の血液のようなものです

この時期をはずした人は、春彼岸頃に植替えと同時に剪定を行います
根を切れば樹液は流れません


まず目に付くのは鉢が小さいですね
培養上は水さえ届けば小さくともいいのですが、これではちょっと小さすぎますね
鑑賞上からは、もみじの大木を受け止めるには鉢の印象が弱いようです

いずれにしても来春は新しい鉢を物色して、男っぷりを上げてやりましょう
そうです、この木は男性的ですから、男っぷりですね

その他、根元、幹筋、枝順、古さなどは申し分なくできています
気になるのは、三分の一から芯にかけての枝が、下枝に比べてやや元気がよすぎることです


樹冠の部分は人間でいえば「顔」と考えてください
顔には表情がなければいけません

このもみじも樹冠の部分が込み入って、いていまいち表情がはっきりしません
枝と芽数を減らす作業を時間をかけてゆっくりと行います
急いではいけません

どっちの枝を切ろうか迷ったときには、しばし休憩です
無理をしてがむしゃらに進むと後で後悔しますよ

また剪定も大事ですが、もみじは生育期の管理
そうです、芽摘みや葉刈りの抑制策の方が影響が大きいのです
このもみじの場合、およそ二年間の丹精で全体の枝の勢いが同じようになってきます

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