2004年9月11日土曜日

懐かしい本

20年ぶりに物置の大掃除を思い立ち
畳にして4畳ほどの小さな物置の中身をすべて引っ張り出してみました

家を建て直した20年前に、捨てるには惜しいし新しい家には収まりきれないもろもろを
そっくりそのままその年月だけしまっておいたような感じです

20年ぶりにあけるタイムカプセル
さぞかし懐かしいものや捨てるに忍びないものに遭遇するかと思いきや、意外や意外

捨てるに惜しいものやこの先とっておきたいもの、ほんの少々だったのです
まして必要なものときたら、まるっきり皆無の状態

子供の幼いころの図画や工作類
私の若いころのノートやスケッチブック、それくらいしか残すものはなかったのです

書籍類もほとんど捨てましたが、ふと目に付いたこの本
私がこの地に住みついて間もなく触れたものです、これはとっておくことにしました



昭和42年 「光芸社」発行 杉本佐七編

最近ふと身辺を見渡してみると
私が盆栽の道に踏み込んだ時期の確かな証のようなものが、極端に少ないことに気が付きました

当時からお付き合いしている親友と話し込んでも
何十年前のことはお互いの記憶の中に、それもかなりおぼろげにしか存在していないのです

こんなことに気が付いたのも「つれづれ草」を書くようになり
みなさんに佐野大助や今岡町直などの鉢作家の思い出話や解説をしていく過程で

確たる年代や人間関係を正確にお伝えする責務を感じるようになったからです
決して年のせいではありませんゾ!

この本は確かな資料としてとっておくことにしました
私が松戸市に移住したのが昭和41年、その翌年に購入したものです

ぱらっとめくってひろい読みしてみると、おもしろい記述がありました
ご紹介しましょう

「小鉢の収集」という題で明官俊彦氏の寄稿があり
その中の今岡町直の解説の項です

小平市で目下大いに焼いている。すでに三、四千枚もでまわっているだろう。
益子焼系統をつぐ作風で辰砂、青磁などのものが多い。
はじめは、ほとんど、手びねりのものだったが最近は角のものを作る。
中村是好さんと知り合い、鉢をつくるようになったといわれる。
10センチ×6センチで二千円から三百円まで。
(原文のまま)

おもしろいことにおおよその相場にも触れています
思い出してみると正確です

私は当時今岡氏の売店で、500円の手捻り鉢を数個買った確かな記憶があります
上等の辰砂釉の長方鉢が4000円でした!
若造には手が出なかった!!

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