たしか5,000円だったと記憶しています
鉢裏に(木黄)と釘彫りの落款がありましたが、どう読むのかもわかりません
でも、磁器の生地といい、淡い色調といい、とても静かな雰囲気で気品が感じられました
そのまま小さなウインドケースの中へ入れ、他の小鉢と一緒に楽しんでいたところ
親しい同業者が目に付けて「ほーッ、モッコウさんの鉢があるじゃないの」ということで
木黄(もっこう)という豆鉢作家を知ったのです
数を手がけてみると、その鉢作りの技巧はかなり精密で高度
また施された文様やデザインの文字なども気品に溢れ、なみなみならぬ人物であることが推測されます
東京を中心にした豆盆栽愛好家のなかでは地味ながらそれ相当に知られた作家ですが
このままではもったいない、もっと全国の豆鉢ファンにも知っていただきたい、と強く願っています

木黄作 染付丸鉢
唐の大詩人、李白の「将進酒」という詩の一節を引用し、デザイン性を強く意識して書いています
君不見黄河之水天上来 奔流到海不復回
(君見ずや、黄河の水天上より来たり、奔流海に至りて復た回らざるを)
染め抜きの達筆な文字とその変化にとんだ配列が、藍色の地に映えてみごとな絵になっています
木黄ならではの気品あふれた作品
豆鉢のわずかな空間にスケールの大きな詩文を書くことにより
無限の世界を意識させ、ロマンのある作品となっています

文字の大小や配列が巧みですね
この豆鉢のデザインとして鉢と一体化しています

天の文字を強調してポイントを作っています

木黄書の署名が見られます


木黄作八角鉢
濃い呉須の地に、各面に文字を染め抜いた気品のあふれた作品

木黄作 染付六角鉢
六面に篆刻文字をあしらいみごとな格調の鉢に仕上げています
木黄の持ち味が遺憾なく発揮された格調高い作品
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