2003年11月24日月曜日

雄山鉢考証2





みなさんはどちらが古いものだと思っていましたか?

幸い、雄山の場合は、落款により制作年代を推測できます
「雄山」という手書きの文字を一重にマスで囲ってあるのは昭和50年代
その後にも、同じく二重に囲うようになります

上の赤絵(1)は一重に囲ってあります

昭和60年代になると(2)のように囲わなくなり、「雄山」とだけ署名しています

一説によると作者自身が、自分の作品の制作年代の識別のために
実行したことであるらしい

これでおおよその制作年代はわかりました
それを念頭に入れて改めて鉢裏を見てみると
かなり印象が違いますね

(1)の簡潔さに比べて(2)が装飾的になっているのは一目瞭然です
作家というのはおもしろいですね

年とともに枯淡の境地に到達して簡潔な作風に到達する人もいれば
その反対の人もいます

雄山の場合は初期の方が簡潔で、晩年になるほどカキコミがふえていますね
興味深いことです





年代を知った上で改めて作品を見ると、また違った鑑賞の仕方も出来ると思います
勉強になりましたか?

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