竹本隼太は幕末の人で、4千石の旗本であったそうです
維新後陶芸の世界に入りました
かなりの変り種といえるでしょうね
さいわい我が盆栽界にも、小鉢を中心に幾多の名品を残してくれました
今日はその作品を見ながら陶芸の世界でいう
「釉溜まり・くすりたまり」の魅力についてお話します
竹本作
辰砂釉正方樹盆(しんしゃゆうせいほうじゅぼん)
(間口6.7cm×奥行6.7cm×高さ3.1cm)
濃い赤紫の釉薬が足元すれすれのところで止まっていますが
ころあいを見計らって窯の温度を下げなければ
釉薬は足元を覆い隠すほどに流れてしまいます
陶芸家にとってこの瞬間の判断が難しいそうです
このように上のほうから熱に溶けた釉薬が足元の手前で止まって
ぽってりと溜まった箇所を「釉溜まり・くすりたまり」と呼びます
釉薬の量感が感じられてとても魅力的で
鉢の愛好家にはたまらない景色です
みなさんもこれから焼き物をみるときには
この釉溜まりに注目してみましょう
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