藤掛雄山作
錦手外縁隅入熨斗鮑図六角樹盆(にしきで・そとえん・すみいり・のしあわびず・ろっかく・じゅぼん)
錦手(にしきで)というのは金を使った絵付けのことです
まるで平安朝の絵巻物のように絢爛にして豪華
それでいてそこはかとない哀調も感じられます
隅入の六角鉢という技術的にも難しい技をさりげんく披露して
雄山鉢の水準の高さを示しています
ところで鉢に描かれた熨斗鮑の図ですが、みなさんは知っていますか?
おそらく知っている方は少ないと思います
じつは私も何が描かれているのかわかりませんでした
(自分が知らないことは、みんなも知らないと決めつけるこの傲慢さ)
しかし、それでは頒布コーナーに掲載しても、鉢の突っ込んだ解説ができません
弱りました、お手上げ状態です
絵の解説はなしにしてごまかそう、と思っていたところ
カミサンがニタニタしています
「なにニタニタしてるんだい、気持ち悪いぜ」というと
「おとうさん、その鉢の絵、なんだかわかんないの?わたし知ってるわよ」
自慢げに言うじゃあありませんか!
このオカチメンコが、簡単にいうじゃないかい
おれ様は専門家だよ、小鉢の!
内心ではそう思いましたが、藁にもすがる思い
ここは一応ご意見拝聴
という訳で見せられたのが↓の文様です
昔は、折り紙を六角形に折畳み熨斗鮑(のしあわび)を小さく切って張り
贈り物に添えたそうで、これはその熨斗の図案だそうです
(祝儀の袋には縦長の六角形のデザインがありますね、あれが熨斗だそうです)
また熨斗鮑とは、鮑の肉を薄く延ばし乾燥させたものだそうです
うーん、図案を見せられおまけにここまで説明されたんじゃ、くやしいけれど納得
それにしてもうちのカミサン、なんでこんなこと知ってるんだい
不可思議!!
ということでまたまた一つおりこうさんになりました
それにしてもこの散紅葉(ちりもみじ)の絵もいいですね
緑の葉が次第に色づく様が描かれています
デリケート!
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