「リサイクル」をカタカナ辞典で引くと再生利用の意味もあります
とすると、盆栽屋はリサイクルショップですね
一見不用になったものを再生して販売することもありますから
取り木はリサイクルのもっとも有効な手段です
勘所をおぼえると非常にお得です
おもに雑木類や花物実物類に施す手術で
5月中旬から6月中旬頃に行います
適応樹種は
もみじ類、楓、けやき、にれけやき、いぼた、ピラカンサ、えご、かりん、えのきなど
かなりの樹種に可能で、しかも簡単です
今回は山もみじの頭がごつくなってしまった素材に
挑戦してみます
1
頭に勢いがつき過ぎてごらんのように、始末がつきません
こんな素材なら安く買えますね
よく点検してみると
取り木で仕立てたもので根張り、幹筋、枝つきなど
頭の部分以外はかなりの素材
頭の部分は数本の角が出たように株立ち状になっている
そこで、下の幹の部分を活かして再生させ
頭の部分は取り木してミニの株立ちをゲットする
という欲張った前提で更に検証してみます
2
今までの正面からの検証
まともに取り木をかけるとミニの株立ちが作れますが
残された親木は頭の作りようがなくなります
新しい芯を作るための芽や小枝が見当たりません
そこでひとまず取り木の方はあきらめて、親木の改作後の姿を模索してみます
図のように切ることは可能です
幹の流れが左へ傾くのが気になりますが、ここなら芽吹きも期待できますし
出た芽を右方向へ誘導してまとめることも可能です
3
裏面からの検証
指で押さえた枝の枝元(幹から5ミリくらいのところ)に芽が吹きそうです
吹いた芽を二年くらい徒長させれば幹のコケ順も調和がとれるし、傷口の肉巻きも早まります
それに向かって右にも枝があるで、条件は最高です
4
頭のごつい部分を切った想像図
足元よーし
枝順よーし
傷口は大きいけれど、右の枝あるので肉巻きは心配要りません
左の枝の5ミリほど先に節があります
底に吹いた芽を徒長させて新しい芯にします
現在の樹高は14センチですが
完成時には樹高約8センチ、幹の直径2.5センチの
ミニ盆栽ができます
5
ところで頭の部分は事前に取り木をかけ、根元が甲羅状の株立ちをゲットします
来春彼岸ごろ親木を大きめの仕立鉢に移す
来年5月中旬に取り木
同6月下旬に親木から切り離し(次の春でもよし)
同時に親木を5図のように施術します(上に同じ)
1÷2=2です
答えの2が出世すれば5にも10にもなります
豊かな気分になりますねー!
(このままでは山もみじの樹格向上は望めません)
思い切って挑戦するっきゃない!
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