2003年7月26日土曜日

鉢の正式名称


この鉢は平安東福寺のそっくりさんです
おっとそれは後にして、今日のテーマは鉢の正式名称の勉強です

鉢の名称の正式な呼び方を覚えてください

まず作者の名前からいきます
平安東福寺

次に釉薬の名前を明記
平安東福寺・高取釉(たかとりゆう)

鉢の形は上からです、まず縁の形
平安東福寺・高取釉・外縁(そとえん)

次はボディーの形ですが、このようにオーソドックスなものは普通は明記しません
それでは足の形にいきます、二段になった切足ですから
平安東福寺・高取釉・外縁・二段切足(にだんきりあし)

最後に全体の形です
平安東福寺・高取釉・外縁・二段切足・長方(ちょうほう)といきます

それをつなげると
平安東福寺高取釉外縁二段切足長方樹盆
(へいあんとうふくじ・たかとりゆう・そとえん・にだんきりあし・ちょうほう・じゅぼん)

と少々長ったらしくなりますが、慣れた人同士だとこれに寸法を加えれば
頭の中に大体の予想図が描けます

機会あるごとに正式名称を添付するように心がけますから
みなさんもしっかり覚えてください
専門家になったようで気持ちがいいですよ


福岡県の高取焼はあまりにも有名です
東福寺もよく高取風の釉薬を用いました

この鉢は複製品ですが
釉薬、形、足のつくりなど 東福寺の特徴をよく掴んでいて
一目ではそれと分からないほどそっくりです

よーく注意して眺めると、雰囲気にやや違和感があります
東福寺鉢特有の手触りやわらかさが不足気味で
角張った感じです

鑑定に際し、そんな直感めいた感覚も大切な武器になります
そのへん、分かっていただけるかな?


やや上方から


落款は楕円の中に「東福寺」
有名な「わらじ落款」です
きれいに捺されています

いいですか、落款だけを頼りに鑑定してはいけません
落款は鑑定の一要素に過ぎません
肝に銘じてください

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