ミニサイズ(樹高13cm位まで)の黒松を作らせたら日本中でも1、2番は間違いなし
その黒松名人の作品を手に入れました
黒松の仕立てにはとにかく手間隙がかかるものですが
この名人は抜群のセンスと経験に加え、時間をかけることを惜しみません
針金は要所に最小限度しか使わず、時間と根気の要るハサミ作りが基本
樹高わずか13cmの黒松を、樹齢数百年の大木然とした姿に作り上げてしまうのです
黒松の本格的な模様木は13cmくらいまでの樹高が限度といわれますが
この名人の作品は、根張りの力、立ち上がりから中間部そして樹冠部へ向かう幹の激しい模様
さらには基本に忠実な枝配り、など多くの要素を完璧に備えた隙のない樹形です
黒松模様木 樹高13cm×左右17cm
やや斜めに立ち上がった幹は低い位置で力強い第一の曲となり
一の枝が理想的な位置に張り出しています
八方に張った足元の根張りも申し分ありません
ニの枝(受け枝)のあたりから、幹は理想的な曲がりとコケ順をとなっていて
このあたりにも名人の驚異的な技量が発揮されています
葉陰に隠れて見えない樹冠部付近の幹模様と枝配りも理想的
ミニサイズの黒松として奇跡的とも言える重厚な姿です
樹高は現在の13cmを維持し、左右は1.5センチずつ伸ばし計20cmの計画
左右の枝に力がついた将来の姿を想像してみてください、素晴らしいでしょうね
新正面をさぐりやや右方向からの画像
この正面の方が立ち上がりに切れ味が感じられますね
重厚感はやや薄まりますが、好みによりこの角度の正面も考えられます
ところで、この黒松の現時点では角度により「元細」に見えます
これは、このようなサイズの小さな黒松を仕立てる過程で
捨て枝を付けての急激な肥培や切り返しによる模様付けなどが原因で
避けて通れない宿命的ものともいえるのです
しかし、この「元細」は、輪郭が仕上がって利き枝の充実をはかる今頃の時点を境にして
根張りの充実とともに年々解消される一過性のものと考えてください
黒松の生理的特質として、これからが根元の太る時期に入り
培養を重ね完成が近づくとともに、足元の逞しく張った姿に変貌していきます
ニの枝から上の幹筋
緻密な枝配りと変化のある幹模様が見られます
左側面より
後ろ姿
これからの培養の要点(他の黒松一般にも適用してください)
1 涼しくなりました、冬芽の充実を図り来春の芽吹きのいいように、タップリと肥料をやりましょう
2 葉透かし・11月に各芽先ごとに今年の新葉を5枚(5対)残す
そのとき、フトコロの古葉はハカマを残すようにハサミで切り込む、新葉も同じ(将来の芽当りを期待する)
3 芽摘み・葉透かしと同時に、枝先を2芽に揃える
4 関東以西での越冬はなるべく屋外で
5 来春の芽吹き前に残した新葉5枚を3枚に減らし新芽の伸びを促します
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