「第15回国風盆栽展記念帖」より
国風盆栽会 会長 伯爵 松平頼壽氏の出品作品、棚飾り二席
昭和16年11月27日~30日に上野公園東京府美術館で行われたものです
この資料を参考にして
戦前にはどのような樹種が盆栽として仕立てられていたのか
調べてみましょう
向かって右より
上段
欅(けやき)
霊壁石(れいへきせき・中国産の鑑賞石)
五葉松(ごようまつ)
しもつけ
中段
梅花黄連(ばいかおうれん)
姫林檎(ひめりんご)
小蘗(しょうびゃく)
下段
山毛欅(ぶな)
落霜紅(うめもどき)
藪柑子(やぶこうじ・草物)
この中で中段の梅花黄連はどんな植物かわかりません
あとのものは現在でも盆栽として愛好されているおなじみの樹種です
現在の国風展の記念帖と違っているところは植物名がほとんど漢字です
私も藪柑子(やぶこうじ)は読めずに辞書を引きました
向かって右より
上段
常盤薺(ときわなずな)
小性梅擬(こしょううめもどき)
中段
錦松(にしきまつ)
瀧石(たきいし)
下段
黄金羊歯(こがねしだ)
杜松(としょう)
この席もすべて現在も培養されているおなじみの樹種です
ここでも薺(なずな)が読めずに分厚い漢和辞典のお世話になりました
薺なんて字を読めますか?
それと現在では小性梅(こしょうばい)と呼ばれているのに
昔は小性梅擬(こしょううめもどき)と呼ばれていますね
私は小姓梅と書いていましたがこうみると小性梅が正解のようです
また梅もどきを「落霜紅」「梅擬」と二通りの文字を使っています
おもしろいですね
こうしてみると、半世紀以上前の戦前も現在も盆栽樹種はあまり変っていないようです
この項つづく
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