平安東福寺の作風が多岐であることはみなさんもご承知ですが
それにしても、この作品は変っていますね
まるで荒々しい縄文土器のイメージですね
粘土を手づかみにしてワッシワッシと捻るうちに
気がついてみたらこんな形になっていた、自由課題の無心な子供の作品のようです
そこからは東福寺の奔放で無垢な人柄まで伝わってくるようです
ところが、つぶさに観察してみるとそこには自由奔放なだけでない
製作過程での冷静な計算も見えてくるのです
縁の下の鋲打ちの間隔は正確ですし
その下の胴にある紐によって上部の強さを強調し
白い粘土の装飾ばかりが目立たぬように、冷静にバランスをとっています
またを中心にした左右の力の調和は、すっきりと取れています
グロテスクとさえ思える鉢全体の印象がこれによって和らいでいるのです
大きな装飾も見付をはずした斜めに付けています
これも正面を避けることにより、装飾の印象を和らげています
同じくこの角度も装飾の位置は正面を避けています
下の鋲も足の上にくるようにしてあるのは、正確さ、端正さを印象付け
グロテスクな印象に偏ることを和らげているようです
鉢底はすっきりまとめています
ここにも作者の意図が感じられます
足も細めの鬼面足ですね
腰高にすることにより、すっきり感をねらっているのだと思えます
みなさんの印象は?
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