2009年11月28日土曜日

山もみじ甲羅吹き

どのようにしてこのような樹形が出来上がったのでしょう?
自然界の不思議を感じさせる甲羅吹きの山もみじ

過去にタイムスリップして、この甲羅吹きの成り立ちを調べてみたいものですね
樹齢は?甲羅吹きの基本樹形はどうやってできたの?人の手が入ってからの歳月は?

興味と疑問はつきません

さて、つれづれ草でご紹介したのが2007年ですから
私が手がけてからは三作目になるわけです

  



正面図



やや上方よりの図

過去2年半前比べてみましょう

幹の本数や基本の姿はほとんど変わってはいないはずですが
甲羅の迫力に見合った枝張りの充実により、スケール大きな構図が感じられるようになりました

甲羅、幹筋、枝、次の枝、小枝へと盆栽の基本の筋に流れが出て
枝の先端に柔らかさも表現されてきました

一作目は枝筋の基本作り
二作目は基本の枝分かれを心がけ
三作目で枝先の輪郭線まで作り上げる

時間をかけた計画がまあまあに稔ってきたようです
やはり急ぎすぎてはいけません

さあ、今年の秋もしっかりと剪定しましょう!



剪定後、正面の姿・樹髙20㎝

枝作りの課程では三作ともあまり針金に頼らず、芽摘みと葉切りを励行し
樹勢が落ち着くのを待って、節間の短い枝だけを生かしました

三つ叉の枝や不要枝や不要芽を丁寧に取り除きました

節間の長い枝は極力取り除き、節間が短く中くらいの勢いの枝を残しました

さあこの段階で枝の基本が出来上がったようです
来春以降は枝先作りに専念しますから、急速な樹格の向上が期待できますね



剪定後、やや上方よりの図

これまでの課程で針金に頼りすぎると、輪郭は速くできますが節間の長い枝が多くなる傾向があります
ですから、これからの段階で枝から枝先に針金をかけるようにします

針金かけの時期は慎重を期し、来春の芽出し直前に行えば枝の傷みが少ない
1~2ヶ月で外しましょう



それでは各部を検証してみましょう

まずは甲羅の部分です
右側は水揚げが弱った部分を思い切って削って若返らせて痕、すでに完全肉巻きしています



幹筋から枝、枝から又枝の姿

枝分かれに自然な柔らかさが出てきました
これからはその先の小枝作りに専心します



主幹の先端部分

今年の剪定でかなりの不要枝を外しましたので、ちょっと寂しくなりましたが
主幹の芯は最も大切なところ、慎重に作っていきます

それでは

2009年11月23日月曜日

作る・出猩々もみじ

2006年から手がけている出猩々もみじ、早いものでもう3年半になります
みなさんはここで参考に過去のつれづれ草を参照してください

 

プロの間でも、出猩々もみじが小品盆栽に作りにくい樹種であることは知られていますが
じっさいに手がけてみると、改めてその難しさが身にしみます

その難しさの主たる原因は
枝の節間が長い出猩々もみじ特有の性質のためで、しまったいい枝が作りにくいのです

対策としては、制御した培養を心がけながら、節間の長い枝は何度でも切り捨て
同じ場所から節間の短い枝が吹いてくるのを、気長に待つしかありません

そのため何度も堂々巡りを繰り替えさえなければならず
納得のいく枝を得るには、どうしても時間がかかってしまうんですね

ここで言う「いい枝」とは、節間のつまった中加減の勢いの枝で
節間がつまっていても勢いの弱いのや、勢いが強すぎて徒長の激しいものはダメな枝です



今年落葉後の姿

芯は太らせるために徒長させましたが、この徒長芽は使いません
それらの元にしっかりとした短い胴吹き芽がありますから、その芽が将来の芯です

利き枝の先端も徒長していますね
これらも切り込んで手前のしまった枝を使うようにします



あら切り後の姿

上部の赤点がこれからの芯となる芽
利き枝の先端も短く切り込みました

ここで全体の姿を検証してみましょう

・以前に比べてボディーが太って貫禄が出てきました
・現在の赤点の高さが8.0㎝なので、10㎝以内で完成させたとすると、利き枝の位置(枝下髙)がやや高い感じです
・そのため、右の白点の位置に呼び接ぎで枝が欲しくなりました



さらに検証をしているうちに、白線で示した高さから取り木をしても、という構想が浮かんできました
この場合は、現在の古木然としたせっかくの根張りと立ち上がりを捨てることになるので、これも切ない(迷)

ほんとに悩ましいことですね

ということで、来年1年、またまた粘り強く頑張ってみたいと思っています

ところで、残された枝に針金をかけたいのですが
大切な素材ですから、用心して来春の芽だし寸前まで我慢することにします

では

2009年11月10日火曜日

フリースクール速報・楓

イーさんは真面目で誠実な30代半ばの若者で、盆栽大好き人間
細かい作業にも根気がよく、教わったことは最後までなし遂げる持久力を持っています

この1年間の目筋の進歩は目覚ましいものがあり
これまで無我夢中でやってきたことを自分なりに総括し、ここで我が道を見い出し歩き出したようです]

そのイーさんが今年一番力を込めてたのがこの楓
樹高は小品盆栽の範疇ギリギリの19cmです

現在芯の部分を大幅改造中なので、完成樹高は18cm以内に納まる予定
落葉後にはしっかり計画を建てて将来の構図を決めましょう


春の芽出しから夏過ぎまで、芽摘みと葉透かしを何度も繰りかえしました
非常に根気の要る作業ですが、イーさんはがんばりましたよ


この足元の力強さをご覧下さい


赤点までの樹高が19cm、これから摘み込みを実行し、最終的には18cmの樹高を目指します
完成時の樹高では1cmだって短縮するのは、かなりの努力が要りますね

でもきっと、努力家のイーさんならやってのけるでしょう!
心からエールを送っている盆栽屋.comです

2009年10月24日土曜日

スクール速報・真柏素材

わがフリースクールには30代の若い愛好家が4人いるけれど
紅一点のマユちゃんのご主人・ベーくんが一番の年下(盆栽歴はわずかに2年くらい)

参照:マユちゃんのページへ

自分の息子よりも若い愛好家が盆栽と必死に格闘している姿を見ていると
盆栽屋.comとしては涙が出るほど”うれしい”

ところで、ベーくんと奥さんのマユちゃん、盆栽は好みの盆栽をおのおの別々に所有
ただし、水やりはご主人がやる(マユちゃんがやると過水になりがち)そうで、まことに微笑ましい光景です



9月中旬の撮影 足元を針金で結束して取り木の最中の真柏

今年の春に施術したばかりなので、発根までにはあと1年くらいかかるでしょうから
ベーくんは今年中に徒長させた枝に針金をかけて基本の骨格を作りにチャレンジしました



芯が後方に伸びたままだったのを、針金で手前にかぶせました



一の枝も上方に向って勢いよく伸びていました
赤点で示したジンを一方の支えにして一の枝に針金をかけ、思い切り下げます

枝にも曲をつけるために、捻じ曲げるようにしながらやるのがコツ
とくに真柏の場合は、幹の激しい模様と調和がとれるように心がけます(直線的な枝では表情がでません)



後ろから見る姿

この基本を作る段階では、芯と一の枝以外には針金をかけません
他の枝はまだまだ徒長させてから一気に施術にかかります



完成過程の予想図

現在の徒長枝の先端を摘み込むと姿が見えてきます



完成予想図

枝葉に足りない部分が繁れば、このような姿が見えてきますよ
遅くともあと二作(ふたさく)でこの姿が実現するでしょう

ベーくん、がんばれ!!

2009年10月23日金曜日

秋の水やりの要点

秋も徐々に深まってそろそろ雑木類の葉が色づいてきました
このごろになると鉢によって乾く速度が異なってきて、水やりの加減も難しくなってきます

それというのも、夏の間は乾くたびに何度水をやっても過水にはなりにくいのですが
棚に並べた鉢により隣同士であってもかなり乾く速度が違うので、かたや水不足、かたや過水、そんなことがおきやすいのです

おまけにこれから冬に向って湿度が下がる一方なのが日本の気候
この湿度の低下も乾きやすい鉢のとっては意外な大敵となるのです

あの暑い夏の水やりをやっと乗り切ってホッとしたこの頃があぶない
これから冬に向って知らぬ間に水切れや過水をおこし、盆栽を衰弱させるひとが多いのでご注意、ご注意です



今朝(23日)の午前9時の乾き具合の見本(盆栽屋.comの棚より)、左は楓、右は梅もどき
だいたい午前9時から10時ごろが水やりの時間ですが、この時点でもこれだけの差があります



梅もどきは鉢土の表面はおろか、水穴の下からのぞいても、これ、この通り底の用土もカラカラ
この程度に乾いているとサット一回やったくらいでは、とても底まで水は回りませんね

表面が濡れたように見えても乾いた表面にはじかれて、案外底までは届いていないのです
やった水が一応しみ込んだと思っても、再度しつこくしっかりとやらなければなりません



かたや楓の方は、表面にもかなりの湿気が残されていましたのが
水穴の下からのぞく鉢底の用土も半乾きの状態で、ちょうどいい感じ

ですからこのような盆栽に対しては、普通の量を一回やれば十分ですね
過度な量をやる必要はないのです

このように同じ棚の上で毎日同じ量の水をもらっていながら
植替え年数や鉢の大きさや形状、さらには盆栽の元気度などさまざまな条件によって乾く速度がまちまちです

ですからみなさんは

1 普段からの各鉢の乾き具合をチャックしておき、乾きの早い鉢には回数もしくは水の量で調節する
2 水やりの工夫で対処が不可能なときは、表面に水苔などを張って調節する
3 乾きの速い盆栽と遅い盆栽を区分けして置き換えるのも一策でしょう

などの工夫をします

今日の格言

秋から冬の水やりは案外難しい、水やりは盆栽の基本中の基本です、なめちゃいけない!

読者のみなさん、コメントお待ちしていまーーす
可能な限りご紹介したいと思います

宛先

盆栽屋.comのメール
盆栽屋.comの掲示板

どちらでもけっこうです

2009年10月16日金曜日

実生かりん正面変更

夏の終わりごろ、愛好家が引越しのために大量放出した実生かりんと実成りかりんを
40鉢をまとめて買い取りしました

その中に樹高30cmくらいの気になる実生かりんが3鉢あったのですが
今日は中でも特に気になるひと鉢をご紹介しましょう

ちなみに放出した愛好家の方は、棚に並んでいる盆栽のほとんどがかりんで約50鉢ほど
ほんとにかりんが好きな方ですね、こういう方も珍しい(笑)




持ち主の愛好家も気に入っていた実生かりん
樹高は30cmの根上がり式の半懸崖です

葉性も枝性も申し分なし
盆栽向きのいい素質をもっています



従来の正面からフトコロをのぞいて見ると、枝はかなり密に繁って持ち込みは古い、古い
かなり幼い苗の時代に巧みな幹模様をつけてあり、持込により幹肌の味わいもたっぷりです

だがしかし、中間が長すぎ幹筋にちょっとばかりしまりがないようです
せっかくの足元の変化が幹の上部にいくにしたがって、徐々に弛緩しており力と変化が乏しくなっていますね

うーむ、む、む、惜しいなー!



そこで盆栽屋の何時もの癖で、あちらこちらと角度を変えて幹筋を眺め回してみると
従来の裏側から見た角度に、こんなにいいところがあるじゃないですか

根の動きもいいし、激しく曲がった幹筋が捻転しながら戻っている角度が絶妙
コケ順もいいし動き変化ともいうことなしです

赤点で印した2本の枝は真ん前にくるので、いずれ切ることになるでしょう
他の枝はそのまま使えそうですが、かさばっている後ろ枝のボリュームは追い込む必要がありそうです

将来の名木候補といっても言い過ぎじゃないですよ言い過ぎじゃないですよ
創作意欲をそそられました



新正面から見た全体図

現在の樹高30cmから5cm追い込みます
左右の幅も合計で10cmほど切り詰めると、かなり締まった樹形になるでしょう

ともかく、落葉時期(11月下旬)が待ち遠しい
その時には是非またお目にかけましょう

私の見込みでは、この実生かりんは名木の素質を秘めていると睨んでします
今から楽しみで楽しみで、落葉まで剪定を我慢するが辛い気がしています

では、では

2009年10月15日木曜日

スクール速報・ずみ逸品

樹高約6~7cmの山ずみ
盆栽屋.comから買っていただいたものだからって、褒めるんじゃありませんが

目の利いた愛好家なら「おー、これはいけるぞ!」と思える逸品です
この持ち主はスクールの常連・ターさん

ちゃらんぽらんに見えて、けっこう繊細な神経も持っていて
ときには言いにくい事でもズバズバくるが、陽気で明るい人柄から、それらはすべて楽しい話題となる

この人のまわりはいつも陽気で楽しい雰囲気に包まれていて、つくづく人徳を感じますね
ツカさんとは離れがたい盆友で、いつも漫才のような掛け合いを楽しんでますよ

「ツカさんよ、ツカさんの盆栽よ、オレが預けてるようなもんだよナ、オレの方が若いんだからヨ
いまにみんなオレのもんになっちゃうよナ、しっかり上手く作っておいてヨ」

「計算どおりにはいかないゼ、番狂わせもあるしヨ、うっかりするとその山ずみだって、逆にオレのもんになっちゃうゼ」
などなど、これくらいのやりとりは日常茶飯事(笑)



秋口にやや水を切らせたのか、芯付近の葉がすでに落葉
ターさんは芯が枯れ込むんじゃないか、といたく心配してスクールへ持ち込んだのです

もともとずみの葉は水切れに弱く、夏の陽射しでヤケやすいのですが
盆栽屋.comの見立てでは、大丈夫、しっかり水が上がっていますから



拡大して樹形を見てみましょう

足元と幹模様は、しっかり芯まで筋が通っています
ただ枝数がちょっと多いですね、これからの仕上げの段階で徐々に減らしていきましょう



まず目に付くのが、現在は利き枝に見えておりが、赤印のあたりを起点にしています
ちょっとばかり枝元が幹の真ん中から出ていますね

この枝はちょっともったいない感じですが、来春の植替えと同時に切ることになるでしょう
切らないとやはり木が若く見えてしまいますね

みなさんはどう思いますか?

2009年10月13日火曜日

フリースクール速報・大型新人現る

「盆栽教室始めたんだって、おれも行きたいなけど、いいかナー」
「自分の持ち物をもっておいでよ、フリースクールだから自由参加だよ、気軽にネー」

数年前に1、2度買い物をして頂いたことのあるハシやんから
数日前に電話があり、こんな会話を交わしました

そして当日のハシやんの持ち込んだ5鉢ほどのミニ盆栽を見て驚いた
正直に言わしてもらうと、初対面からガラガラと気取らずに話をするおおらかな人柄からは

(失礼ながら)こんな繊細な感覚の自作のミニ盆栽を、まったく想像できなかった
驚いた、驚いた、まさに盆栽屋.comのフリースクールに大型新人が現れたのです

それでは論より証拠、ハシやんの作品をご紹介しましょう



樹高約15cm×16cm

「このけやきはヨー、旅行先で実生2年生苗をヨー、採ってきて仕立てたんだヨ、もう16年も作ってんだヨ」
「葉性はあんまりよくネーからけっこう苦労したけど、針金かけたりして、やっと何とかなってきたヨ」

取り木で寸法を縮めたのでまだ根張りが若いのが気になっている、とも言っていましたが
そのようにご自分の作品の先々まで見通している点も評価できます

枝下(枝分かれまでの高さ)と全体の樹高とのバランスもよし
枝幅に対する立ち上がりのボリューム感も十分なので、力強さもしっかり感じられます

枝分かれのきれいさも枝先の繊細さも秀逸
地道な持込を繰り返しながら、今後は古色感を求める段階にあると思います

さらなる樹格の向上が楽しみですね
みごとな作品です



樹高13cm×14cm

ハシやんがいかに大型新人だということの証明に
盆栽屋.comの頒布品の中から、↑のハシやんのけやきに似たものを参考に掲載してみました

このけやきは愛好家の放出品ではありますが
もともと基本の骨格は、その道では「名人」として知られる「プロ中のプロ」が作ったもの

↑のハシやんの16年の努力の結晶は、この名人の作品と比べてもなんら遜色ありませんね
たいしたもんです



参考に、ハシやんのけやきを下方からのぞいて見ます
すばらしい仕上がりですね

ということで、”盆栽界は広いようで狭い”とはよく聞く言葉ですが
今回は”盆栽界は狭いようで広い!” ということを改めて強く感じました

もちろん一流展示会の常連で全国に名を知られた大家は、盆栽界の先達でありますが
ただただ盆栽が大好きで、人知れず独学でコツコツと努力した愛好家でも、これほどの結果を残せるんです

このことを全国の盆栽ファンのみなさんにお伝えしたくって、この項を書きました
それでは!

2009年10月9日金曜日

フリースクール速報・けやき

ツカさんはフリースクール仲間の最年長
でも気力にあふれた元気のいい中高年ですよ

なんでもツカ少年とその家族は、太平洋戦争終了後命からがら満州から帰還したそうで
当時の手記をHPで発表してるという信念のひとなんです

盆栽趣味に臨む気風や作風は、ひとがらそのものを表しとてもおおらかで
施術なども早め早めで気が短い傾向があります(笑)、思い切りが良過ぎるともいえましょう

ところがやはりこのひとは努力のひとですね
最近はフリースクールに見えた当初よりも、かなり上達し緻密な目筋を身につけてきたました

その上達の証がこのけやきです
やや荒れ気味だったものを昨年の秋頃から手がけ、かなりのレベルまで培養ができました



樹高17cm

手に入れた時点よりもひとまわり追い込み、枝の先端に力が集中せず柔らかい感じ
もちろん芽摘みと葉透かしを徹底的に励行した成果です

画像ではわかりにくいんですが、フトコロ芽も生きいきしていますから
来年以降も徒長の心配はありません

ここまでくると、一年一年の成長が目に見えて楽しみが倍加します

ところで、今年の春に選定した現在の鉢
これはちょっといただけませんね

秋に紅や黄に色づく樹種(雑木の多く)には、この鉄砂釉(てっしゃゆう)は似合いませんね
葉の色合いとの調和から白か水色や瑠璃などがいいでしょう

去年の植替えですから、もい一年間は我慢するとして
再来年までに映りのいい鉢を探しましょうね

それでは、ますますがんばって!

2009年9月30日水曜日

黒松芽切その後Ⅱ

8月21日のつれづれ草でご紹介した黒松

8月20日撮影の↓の写真では、葉の伸びがイマイチ

そこで9月8日の液肥の裏技でご紹介したようにとっておきの裏技やら置肥やら
また葉水もたびたびやるなど努力のおかげで、2枚目の↓の写真のようにほどいい長さに揃いました


ごらんください、この姿が8月20日の撮影

この時点では芽の伸びはイマイチで、正直ハラハラドキドキ
今年の鑑賞期(秋~冬)は、ちょっと見栄えがしないな、と内心あきらめていました


ところがいかがです、これが今日(9月30日)の姿です
樹高22cmに見合った葉の長さで葉の力強さもツヤも申し分ありません

上下2枚の写真を見比べてください、まるで別物にさえ見えますね
まったく黒松はきれいに葉が揃った姿にはかないません


さて、そこで手入れのことも少々

夏の芽切(短葉法)をやったときに残した古葉を透かしましょう
いつもお話しするように、ピンセットで抜かずに、必ずハサミで古葉の元を1~2mm残して切り取るのが正しい方法ですよ


全体に古葉の透かしが完了したら、こんんどは芽抜きの作業
3芽以上の芽が吹いている箇所にハサミを入れ、2~3芽を残すように整理します


左右の小枝の先端を2芽ずつに整理
この作業を下枝から芯の先端に至るまで、しっかりと行います

これにより、フトコロの奥まで日と風が入り
かくれ芽に力がつき、来春の芽吹きにいい影響を与えてくれるのです

さあ、実行!!

2009年9月16日水曜日

フリースクール速報・黒松

今日の速報はヒナさんの黒松で、樹高19.5×左右29cm
1987年に手に入れたというから、22年もの長い間ヒナさんに可愛がられてきたとになります

申し訳ないことに私は忘れてしまっているのですが、私の店で買っていただいたものだそうで
ヒナさんは几帳面な方でしっかりと記録を録っているので間違いなしです

そこでまずヒナさんの作風はというと、几帳面で真面目な方らしく枝順など基本に忠実で
ときには拘りすぎて損をする場合もあるようですが、そのあくなき改作意欲は目を見張るものがあります

ですからヒナさんは完成に近づいたものでも、妥協せず一から出直すこともしばしばで
キャリアが長いわりには仕立て中というイメージの盆栽が多い印象です

今日ご紹介するのは、そんなヒナさんの棚の中では珍しく(?)ほとんど完成の域に達した黒松で
短葉法の施術の時期ピッタリ合い、太く短い締まった葉がそろってとてもきれいです

またまた理想を追い、さらに手を加えるところを探したい雰囲気のヒナさんでしたが
今回ばかりば、たまには手を入れないで一冬の間ゆっくり鑑賞するよう、かき口説いた次第です


2003/10/05撮影

几帳面なヒナさんの当時の改作時の画像です
足元のしっかり感、木肌の古色感など、現在の姿と比べると貫禄に格段の差がありますね

三つ又に分かれていた一枝の真ん中の芯を抜き、残された外側の左右を針金で寄せる作業後の姿
この施術により現在のしまった一枝の基礎ができあがりました


現在の姿

秋の葉揃えもしていない段階でこの完成度です
22年間の苦心が一気に報われたこの姿、感動ですね


やや下方から枝張りのようすがわかります
細かく分岐した枝にご注目、やはり長年の丹精にはかないませんなー


どっしりと大地に根を下ろした足元の力強さ
長年の持込による木肌の古色感もみごとですね

2009年9月15日火曜日

フリースクール速報・真柏

この「盆栽つれづれ草」を愛読して下さる全国のファンのみなさまに
月に2回の盆栽フリースクールの速報をご紹介しましょう

成功談も失敗談も交えて率直にご紹介し
愛する盆栽に果敢に挑戦する生徒さんの姿勢に、温かいご声援を頂きたいと思っています

そこで、一番バッターはマユちゃん、チャレンジするのは今春から愛培するところの真柏ミニ(樹高8.0×左右12cm)
マユちゃんがこの真柏を希望したときは正直、「大丈夫かな?」と「ありゃ、けっこう見る眼あるな!」との両方の印象でした

マユちゃんはご主人のベーくんとご一緒に通っている女流愛好家で
ベーくんが真柏大好き人間なので、その影響か、それとももしかして対抗意識もあったのかな、なんて思っちゃいました

ちなみにこの「フリースクール速報」では、盆栽屋.comが勝手につけた愛称で生徒さんをご紹介するつもりですが
もちろんご本人の了解は得ていません(笑)ので、なにとぞ事後の承諾をお願い致します



今春手に入れたときの画像、樹高7.0×左右10cm

もっこりと盛り上がった根元がまるでサザエのよう
その立ち上がりに動きもあり迫力十分

根元の塊とそこから立ち上がった幹筋のまとまりがいい
全体の姿がこれほど調和のいい真柏の太幹ミニは、なかなかお目にかかれません

ボディーに見合った枝作りがこれから始まる段階の素材なので
一番作りがいもあるし難しいともいえます

とにかくこの命を元気よく育ててやるのが、名品へ道の第一段階なのは当然のことですが
危惧されたその使命を、超初心者の「超」がやっと取れたばかりの盆栽歴数年のマユちゃんは、みごとクリアーしました

↓のように鮮やかな葉色がまぶしいほど
毎日の水やりは施肥など、基本的な日常管理は合格です

さて、これから針金をかけて
整枝整形に挑みます



整枝整形にあたり、この逞しい根元のウネリを活かし
立ち上がりから芯にいたるまでの幹筋に緩みのないよう、ダイナミックな構想を描きながら作り込みましょう



初心者のマユちゃんにとって、針金かけは難しそう
「慌てない、急がない」ことが肝心です

また初心者は針金を緩めにかけるようにした方がいいでしょう
きつく巻いて枝葉を傷めるより、少々見栄えは悪くとも、実質の方を優先させるのが得策ですね



作業完了

まだ向って右奥の枝葉が少ないので、スケスケの部分がありますが
針金かけによって将来の輪郭線が見えてきたので、男前がグーンとあがりましたね

この段階で樹高8.0×12左右12cmです
左右はもう1.0~2.0cmのビルでしょうが、樹高サイズは8.0cmで完成させます



伸ばすところは伸ばし枝葉がさらに繁れば、2年ほどでこのような感じになるでしょう
そのためには初心を忘れず、毎日の基本管理に精を出すことです

また、真柏の醍醐味であるサバやシャリは枝葉の充実を図りながら、この後に徐々に行っていきます
完成への道のりはまだまだ彼方ですが、十分に楽しますね

男性陣も負けてはいられませんぞ!
掲示板に感想くださーい!

2009年9月8日火曜日

液肥の裏技

今年は冷夏のため、短葉法で芽切をした黒松の葉の伸びが思わしくない
晩秋から冬にかけての鑑賞期にむけて、松柏類の葉色がちょっと冴えない

そんなみなさんにとっておきの「裏技」をご紹介しましょう

工夫しだいで思わぬ「裏技」を発見できますが
今日は、08/31にご紹介した液肥(ハイポネックス)を使っての裏技、抜群の効果が期待できますよ

液肥は如雨露などで水やり感覚で鉢に施すのが普通の常識ですね
ですから小品盆栽の場合、バケツなどに液肥を入れ、そこへドボンとつけ込むという発想までは誰でも到達します

が、そこから一歩突っ込んでこそはじめて「裏技」の域に達するのです



満タンで100リットルも入る大型水槽に、50リットルの2.000倍に薄めたハイポネックス溶液を作り
盆栽を浸して約数時間、たっぷりと液肥を吸わせます

黒松や真柏、杜松の葉は、おおよそ9月いっぱいは動いていますから
いまがラストスパートの時期です

如雨露で施した場合は鉢外にも流れますし、次の水やりでかなり薄目られてしまいますが
根を浸して数時間吸わせてしまえば、吸った栄養分は流れ出しませんね



寸法の小さいものは頭まで水没(笑)してしまいますが、数時間なら気にすることはありません



水浴中の盆栽たち

さてここでこの裏技の注意点

・元気の悪い盆栽は避ける
・徒長を嫌う雑木類もやめましょう
・松柏類でも葉の徒長を嫌う五葉松などはお勧めできません

では、今なら間に合います
急いでチャレンジ!!