以前は月に2回くらい、スクールで朝から晩まで盆栽と対峙して止まなかったトリ君でしたが、昨年あたりから会社の部署が変わったらしく、頻繁な海外出張などで盆栽三昧という境遇はしばらくお預けのようです。
そのトリ君が、しばらくぶりに検証して欲しいということで、5年ほど前に先輩のクロちゃんから譲り受けた荒皮性のイボタを持ってスクールに見えました。
樹高は17cmくらいでしょうか、幹模様がなかなか荒々しく躍動感に溢れています。基本をやや外した自由な枝つきにはかえって闊達な奥行きが感じられます。
クロちゃんが持っていた当時よりもやや太ったようで、梢の先まで気合が入っていて、漲った気力が感じられます。
使用鉢は新渡の黄釉古鏡型ですが、これがよく似合っています。派手な樹形ですから鉢も華やかな雰囲気のものが映るようです。
それにしても荒皮イボタは不定芽が多く、案外にまとまりにくい樹種ですが、力強さを維持しながらよくぞここまで纏め上げましたね。おみごと、いうことなし!
ということで、次は兄貴分のクロちゃんの番です。
甲州野梅の中型よりちょっと大きめくらいの模様木。幹枝の模様や構えは素質的にいってもいうことはありません。梅盆栽で一番に注目される古さだって申し分ありません。
あとの課題は、芯に至る幹筋上部の肉づきが加速されて、全体のボリューム感や力感が増すことですね。まあ、それには時間のかかる梅ですから、とにかく根気よくということですね。
もうひとつは、鉢の選定でしょうね。このくらいの古色感あふれる野梅の場合、花ものだといって、決して釉薬鉢に拘る必要はありません。使い込んだ泥(でい)もの鉢の方が木の古さが引き立つことが多いようです。クロちゃんのことですから、イメージに合ったいい鉢を探すでしょう。
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