2005年1月2日日曜日

愛好家放出品の真柏の正面は?

大晦日に「愛好家」より放出された約50点の小品盆栽のオショクはこの真柏
天然の「山採りもの」ではなく、人工的にジンやサバを作った「養成もの」ではありますが
激しく捻転した幹と、一と二の利き枝の力強さに魅力があり、全体の構図もよくまとまっています

糸魚川産の葉性(はしょう)の極イイものを挿し木して曲付けし
長年鉢で培養したもので、ジンやサバ味にもかなりの古色感が出ています

少々あばれ気味で葉がさが大きくなり過ぎています、摘み込み不足ですね
でも真柏は心配ご無用、針金による整姿と摘み込みで数年で小さくすることができます

ところで、新しく盆栽を手に入れたときには、まず現在の正面が適切であるかどうかを検討することが大切
正面の選定はその盆栽の観賞価値を決定する最大の要素となります


さて、現在の正面です

一と二の枝の張り出しはイイ感じですね
しかし、さらなる足元の迫力を求めて向かってやや左側面に見付けの位置をずらしてみますと


ご覧のように、立ち上がりの芸と迫力が一段と増したようです


その拡大図

枝のさばきも悪くありません
やや左方向から見るこの角度は正解に近い感じがします


次に、思い切って現在の木裏から眺めてみます、新しい正面の可能性はあるかな?
うーん、悪くなさそうですね

足元の芸と迫力、いけそうです!
ジンの動きも変化があってイイ感じ

葉に隠れているけれど、枝のさばきも悪くないし
幹全体の芸も変化と迫力あり


足元と幹の芸の拡大図

どうです、力があるでしょ!
それに足元から樹冠部にかけてのサバによる幹味も、こちらの方がイイように感じられますね

今すぐには決め付けないでおきますが
これで、現在の木裏を新正面とする可能性も大になりましたよ

このように、盆栽の正面を決めることは最大の楽しみであるとともに
その盆栽の観賞価値を決定する最大のポイントなのです

さあみなさん、ご自分の手持ちの盆栽の正面を改めて検証してみましょう
盆栽人はあくまで欲張りでなくてはなりません

一番魅力のあるところが正面になっていますか?

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