2005年1月4日火曜日

東福寺無落款?

盆栽界には明らかに東福寺作品と断定できながら無落款の作品が存在します
無落款の様相は大まかに

1 明らかにないもの
2 釉薬の下に隠れてはっきりと識別できないもの
3 落款の押し方が弱くはっきりと識別できないもの

に区別できます

明らかに押されていない場合は、故意か押し忘れかはわかりませんが
多作で知られた東福寺のことです、押し忘れであると考えるほうが妥当でしょう


平安東福寺作   名「霞桜」

東福寺無落款作品のうちの名作として、昔から好事家の間で知られていた本作品
このたび盆栽屋.comが入手したこの機会に「霞桜」と命名しましたものです

未だ明けやらぬ深山のたなびく霞の中にほのかに浮かぶ山桜
この鉢の釉薬の変化が、そのような情景を連想させてくれ、まことに味わいの深い作品です

窯変による微妙な釉薬の変化
みごとなボディーのバランス
希少な雲足など
あらゆる面から東福寺小品鉢の最高傑作の名に恥じぬ名作中の名作といえます

ところで、この作品、昔から無落款であることは知られているので
入手後に特別入念に落款探しをしなかったのですが

市内の親しい愛好家さんにお買い上げいただいた折に
その方と二人で1時間もかけてルーペでよくよく眺めまわしてみたのです

すると、無落款の原因が(1)であると思い込まれていたこの作品の足と足の間に
ごくうっすらと落款らしき痕跡(?)があるような気がしてきたのです

もちろん断定するほどの明瞭な痕跡ではありませんが
あながち希望的予測がそう錯覚させるのだとは思えない

これほどにしつこくこだわるのは、過去に無落款と思われていた東福寺作品の
意外な場所に落款が見つかった例(私も見つけたことが数度ある)がけっこうあるからなのです

正直、代金をいただいてしまった後なので、落款が見つかったからって
割り増し追加料金をいただくわけにはいきませんが

あの微かな痕跡は落款に違いない!

そうにらんでいます

それにしても先入観にとらわれず、もっと下調べをすべきであったと後悔している私であります
新年早々、反省!


つらなる山々に霞のごとくたなびく山桜の情景
優れた日本画を見るようです


未だ明けやらぬ深山の霞


釉薬の変化の魅力はとても画像では伝えられないほどに
デリケートで魅力的です


鉢内側


鉢裏




雲足の様子
東福寺全盛期のみごとなヘラ使いの痕跡もしっかり鑑賞できます

この雲足と雲足の間の谷間に落款らしき痕跡が見られたのです

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