今回の出品の中で、この五葉松の中品も将来有望な一品でした
うまく培養すれば、数年後には国風展に挑戦可能なレベルです
前々項で紹介した直幹と同じ「九重」という八房五葉松
樹高はおよそ30cmくらい、樹冠部と差し枝とが構成するバランスが絶妙です
動きとまとまりがよく、それでいて迫力もあって
いわゆる、現代の盆栽人の感覚にマッチする中品です
前の直幹の九重では、流行の変遷に惑わされることなく、ここまで育て上げた作者の一途な情熱に感動した私でしたが
この中品の懸崖に対しては、作者の現代的なセンスと技術を褒めたいですね
現代では、優れた山採り素材が豊富であった戦前と異なり
盆栽は人工で育てて作る時代となっています
山採り素材のような芸と迫力をできるだけ短い年月で作り出すには
培養、技術、センスなど高いレベルの力が要求されます
そのうえ、この中品が天然の山採りのような風格を備えるには
さらなる培養が必要になりますが
ともかく、育て作るという現代の盆栽に求められる道程を
しっかりと歩んでいると云えましょう
大いに期待します
0 件のコメント:
コメントを投稿