恒例の千葉県盆栽名品展が開催されました
期間は11月2日から4日、場所は千葉県柏市にある県民プラザのギャラリー
さて、出品された盆栽の中からいくつかを話題にしてみましょう
早速ですが↓の直幹の樹種、わかりますか?
樹高はおおよそ80cmくらいで、幹の直径は足元でやや30cmもあったでしょう
ともかく、一目見て樹種の見当がついた盆栽人はかなりのベテランですよ
正解は、八房五葉松の「九重・ここのえ」
樹齢は推定でおおよそ40年から50年くらいでしょう
思い出しますと、この九重が1本の接木苗としてこの世に誕生したしたころ
盆栽界はまさに直幹ブームだったのです
樹種の特性も考えずに、何でもかんでも針金をかけて真っ直ぐにして
無理やり直幹体に仕立てました
今でも、その当時名木と称された黒松や九重などの古木に出会うことがありますが
多くは、その後の直幹ブームが去ったあと持ち主の情熱が薄れ、培養が行き届いていない場合がほとんどです
作落ちしせがれた黒松や九重を見ると
零落した過去の遺物をみるような、やるせない哀しい気分になります
しかし、稀にこの九重のように、満々たる生命力をみなぎらせ
天にすっくとそびえた力強い直幹の姿に接すると、ほんとうに嬉しいですね
直幹体の神々しいまでの荘厳な雰囲気
しっかりと管理された直幹盆栽の少なくなった現在では、まさに貴重な名木です
流行の変遷に惑わされることなく、ここまで育て上げた作者の一途な情熱に対し
盆栽人のひとりとして、賛美と感謝の念をお伝えしたい
以上、このような感慨を覚えながら、この九重の直幹を鑑賞しました
教訓:流行は一時のもの、ただし盆栽の命は悠久のもの
一時のブームや流行にとらわれずにわが道を行きましょう
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