何十年盆栽屋をやっていても、好みの盆栽に巡り会ったときは格別で
内心で歓びがワクワクと湧き上がってきます
もっとも、この感動が湧き上がらなくなり
新鮮な気持ちで盆栽に接することができなくなったら、盆栽屋は失格、失業ですね
今年の正月は、松の内がすんだらすでに三連休
なんで、盆栽屋の本格的な仕事始めは9日からでした
その9日に仕入れに出かけ巡り会ったのが
今日紹介する「山づた」の小品
山づたはもともと私の好みの樹種なのですが
それにしても、これほどの小品の山づたにはお目にかかったことがありません
ワクワク!
盆栽界の一般的な位置づけとして、山づたという樹種は若葉や紅葉の季節が鑑賞期とされていますが
この本格的な樹形ですから、葉落ちの姿の方が見栄えがするでしょう
この段階まで持ち込んだ山づたは、山もみじや楓のように
葉落ちの姿で枝先の味わいまで眺めたくなりますね
この山づたの最大の魅力は、足元の力と幹の躍動感
全体をアップで鑑賞しましょう
いわゆる「構えのいい木」、本格派の樹形ですね
立ち上がりの迫力、幹模様の躍動感、細かい枝先がみごとです
山づたという樹種の特徴である「野趣味」
木肌の古さが一層にそれを強調しているようです
でも、文句をつけることもある
それは「鉢」
大き過ぎますよね
だから盆栽が小さく見えちゃう
これほど大きなスケールの構えの山づたの魅力を引き出すには
二廻りくらい小さな鉢を使うべきですね
この春には、映りのいい鉢に必ず植え替えるゾ
という訳で、車の中の助手席にこの山づたを置き
信号待ちの度々に、何度も手にとって眺めながら帰宅した盆栽屋.comでした
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