形あるものはいつか必ず壊れる、そういう運命に在るのでしょうが
ご紹介するこの名品中の名品の月之輪湧泉を、ちょっとした不注意で真っ二つに割ってしまった私の友人
「落としたときに、いい音したっけッ」
いい音とは、忘れられない耳に残る忌まわしい音ということですね
それにしても、盆栽界でいうところの「直し」が上手く出来ています
ちょっと見では気がつかないほどです
さて、ここでいい機会ですから、みなさんが盆栽界でちょくちょく見かける「直し鉢」によるトラブルに巻き込まれないために
鉢の修理について勉強しましょう
月之輪湧泉
数ある湧泉作品の中においても名鉢と誉れ高かった湧泉初期作品
ふとした粗相により、真っ二つに割れてしまったのですが
その姿の消滅を惜しんだ所有者が骨董関係の専門修理家に依頼し
資料としての貴重性を保ちながら、短期的な実用にも充分耐えうるよう、みごと復元しました
この正面の姿からは、「直し」の痕跡は見えないでしょうね
正面の拡大図
アップの画像からも「直し」の箇所はないようです
この角度からはいかがですか?
「直し」はないようです
同じく側面をのぞく角度より
ここにも「直し」の痕跡はありません
反対正面より
この正面には「直し」があるのですが、ちょっと分かりづらいですね
拡大してみます
向かって右隅、縦方向に修理の痕跡発見!
なんとなく汚れた感じの不自然な箇所がありますね
そこが「直し」の箇所です
側面拡大図
ここにも「直し」の箇所は見当たりません
同じく側面拡大図
向かって左隅、縦方向に修理の痕跡有り!
人物の向かう方向の岩と草むらの辺りに不自然な汚れめいた箇所があります
そこが「直し」の箇所です
縁の左上隅と右下隅に修理の痕跡があります
隅に描いた花文様が乱れていますね
高度な修理技術により修理痕の判別が不能なほどです
「直し」はあるはずなのですが、かなり高度な修理技術です
「直し」「修理」と表示されずに売買されている場合もありますよ
そのような品物は、本来それと表示されて売買されるはずもののです
みなさん、よく勉強して自己防衛!
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