この豆杜松に出会ったのは、昨年の今頃でしょうか
ある同業者を訪ねた折、愛好家の大量放出品として棚に数百鉢のミニ盆栽が並べられいたその中から
選りに選り抜いた逸品でした
伊勢産の杜松です
この地方に産する杜松の山採り品は、ジンが硬く葉性が詰まって短く徒長しないので
小品盆栽に真向きの性質を持っています
聞くところによるこの数十年の間の乱獲により
いい素材はほとんど採りつくされ、皆無に近い状態だそうです
私の長い盆栽歴の中でも、これくらいのサイズ(樹高4.5cm)でこれほどの図柄をもった逸品は記憶になく
今まで所有していた愛好家さんは、かなりのベテランで、センス抜群の方だったと想像できます
昨年の異常な暑さのため、やや樹勢を落としました
小さいだけにちょっとヒンヤリさせられましたが、よく観察すると、元気がないというより
あまりの暑さに木が小休止という状態でした
そんな時には水をやや控えめにし、肥料はやらずに
風通しのいい涼しいところで培養するようにします
そして、観察するのは芽の先です
元の方に少々枯れ葉が出ても、芽の先がしっかりと緑色をしていればまず安心、慌てることはありません
冬の管理は
凍らさず、霜や乾いた北風には絶対に当てないようにし
日中の日光浴はたまには必要です
しかし、日中にあまり温度が上がり過ぎて夜間との温度差がついてはいけません
人間と同じように、植物にとっても温度差は風邪引きの元なのです
おかげで、今年の春の芽出しは順調で
ただ今、北海道の愛好家さんのところへ引越しする日を待っているところです
連休明けあたりになるでしょう
昨秋にお約束したのですが、冬越しが心配なので半年間待っていただきました
北の大地で、がんばれ豆杜松!
と思わず励ましたくなるほど、小さく健気な杜松の姿です
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