水石の世界には「養石・ようせき」という言葉があります
石を養う、つまり盆栽の培養からヒントを得た造語ですが
川や山で採取した石を棚の上に並べ、日にあて水をやり
盆栽と同じように日々養い育てるのです
何、石を育てる???
とお思いでしょうが、言ってる本人たちは、本気なんですよ
もちろん何十年養い育てても、石は大きくなりません
小さくもなりません
それでは、何が育つのでしょう?
何を養うのでしょう?
毎日まいにち日に当てて水やりをすることにより
風格と時代感を養うのです
石は、川の底や山の土中に埋もれたままの、自然の風雨や日光に晒されていない状態では
何十年経っても、いわゆる「時代感」はつきかないのです
日に当たり、雨風に打たれ、濡れたり乾いたりを繰り返すうちに
時代感がつき、それとともに風格が出てくるのです
ですから、愛石家は「養石」という愛情を込めた言葉を考え出し
棚の上に置いて、物言わぬ石に毎日まいにち飽きずに水やりを繰り返します
養石の棚
地面にじかに置くのはいけませせんよ
泥が撥ね上がって汚れると、時代感がつくのが遅くなります、かならず棚の上で養石するように
ただし、コンクリートの上なら汚れませんね
それはOKです
かけた水が半乾きになっています
盆栽の水やりのときに、さらっと濡らしてやりましょう
右隅に箱に入った小さな石が沢山ありますね
四国の四万十川の石ですが、あれだってもう10年は養石していますよ
あの中にけっこうな優れものがあるんです
それでは、今日は浮世離れした気の長い「養石」のお話でした
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