2005年5月13日金曜日

養石とは?

水石の世界には「養石・ようせき」という言葉があります
石を養う、つまり盆栽の培養からヒントを得た造語ですが

川や山で採取した石を棚の上に並べ、日にあて水をやり
盆栽と同じように日々養い育てるのです

何、石を育てる???
とお思いでしょうが、言ってる本人たちは、本気なんですよ

もちろん何十年養い育てても、石は大きくなりません
小さくもなりません

それでは、何が育つのでしょう?
何を養うのでしょう?

毎日まいにち日に当てて水やりをすることにより
風格と時代感を養うのです

石は、川の底や山の土中に埋もれたままの、自然の風雨や日光に晒されていない状態では
何十年経っても、いわゆる「時代感」はつきかないのです

日に当たり、雨風に打たれ、濡れたり乾いたりを繰り返すうちに
時代感がつき、それとともに風格が出てくるのです

ですから、愛石家は「養石」という愛情を込めた言葉を考え出し
棚の上に置いて、物言わぬ石に毎日まいにち飽きずに水やりを繰り返します


養石の棚

地面にじかに置くのはいけませせんよ
泥が撥ね上がって汚れると、時代感がつくのが遅くなります、かならず棚の上で養石するように

ただし、コンクリートの上なら汚れませんね
それはOKです


かけた水が半乾きになっています
盆栽の水やりのときに、さらっと濡らしてやりましょう


右隅に箱に入った小さな石が沢山ありますね
四国の四万十川の石ですが、あれだってもう10年は養石していますよ
あの中にけっこうな優れものがあるんです

それでは、今日は浮世離れした気の長い「養石」のお話でした

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