2022年5月15日日曜日

紅千鳥もみじ三年生

超人気樹種の紅千鳥もみじ、挿し木の苗でもなかなか手に入りにくい現況です。何年か前に挿し木をした残りの素材を数本売ってしまった後は、まったくの在庫ゼロでお手上げ状態。
そこで、あちらこちらと手を尽くして成木2本(女性の手首ほどの太さ)と挿し木三年生の苗を20本(平均の樹高13㎝・下図)。



ラベルに2020年7月12日と記されている。もみじ類の挿し木の場合、私は春挿しをしますが、この苗を挿した方はその春の新芽が固まるのを待って、夏挿しをしたようですね。



2020年7月12日


3年生とは3年目ということです。
来春まで植え替えずにこのままじっくりと根っ子を作る。


ポイントはこの夏の管理。水は少なくともいけませんが、
過湿はもっといけません。もちろん置き場は半日陰ですね。

このように幼い苗からじっくりと作り込めば時間はかかりますが、傷のない素直な名品を作ることができるんですね。がんばりましょう!

 

2022年5月14日土曜日

紅サンザシ

小品盆栽として培養されている絶対数は少なく、まったくの貴重な樹種に数えられる紅サンザシ。盆栽の素材は主に接ぎ木で生産されていますが、取り木は可能なのでしょうかね?
取り木が可能であれば、中品以下のサイズも容易に作れるはずですね。


何年ぶりに入荷した紅サンザシですが、樹高が80㎝くらいの大物だったので、中品以下のサイズを好む愛好家さんの多い宮本園では、いくらか邪魔者扱いです。

花はこんなに綺麗なのに!
 

2022年5月13日金曜日

箱書きの字体

 水石や盆栽樹鉢の箱に表面の箱書きは、楷書体、行書体、草書体の三つの書体で書かれることことが多いようです。当店でも特別なご注文でない限りはその他の字体(隷書体、篆書体、かな)を用いることはめったにありません。



ところで同じお客様から長年ご依頼を受けていますと、何よりもマンネリに陥ることが一番に注意したいところなので、たまには新しい作品をみなさまにご披露して緊張感を維持したいと思います。

東福寺均釉長方鉢

ご希望の多い行書をさらにもう一段くずした感じでまとめました。



東福寺瑠璃釉長方鉢

上の作品とイメージが似ていますね。



苔洲蕎麦釉木瓜鉢

縦長の行書体で大胆にスピード感を出すように工夫しました。



青磁外縁木瓜鉢

これも上の作品と似た感じですね。動きが感じられれば成功でしょう。






東福寺白釉貫入楕円鉢

東福寺丸鉢

この二つの作品とも全体の流れと弾みを重視しました。




緑釉薬鋲打丸鉢

オーソドックスな行書でまとめてみました。









三つともちょっと崩して軽い調子でまとめました。軽い感じがポイントでしょうね。






2022年5月11日水曜日

五月フリースクールの日程

 

五月フリースクールの日程が決まりました。

①5月15日午前10時より午後4時(日)

②5月29日午前10時より午後4時(日)


内容は雑木類の手入れを中心に

全般にわたります。

2022年4月8日金曜日

四月の盆栽フリースクール

大変遅くなりましたが、 四月の盆栽フリースクールの日程をお知らせいたします。

第一回 4月10日(日) 午前10時より午後4時


第二回 4月24日(日) 午前10時より午後4時




灰釉反縁丸輪花式

間口16×奥行16×高さ5.5㎝


かって千葉県松戸市に存在したアマチュア鉢作家グループのリーダーで
雅号は「頼仙」


茨城県の益子や笠間方面の借り窯に
よって、硬質のしかも親しみやすい味わいの作品を残しました。





2022年4月2日土曜日

小野義臣にそっくり

ご覧のように小野義臣にそっくりな鉄砂の丸鉢を手に入れました。もっとも手に入れたと大袈裟にさわぐほどに大枚をはたいたわけではなく、作家不明でも結構楽しめると思ったからです。


鉄砂釉(てっしゃゆう)間口11.5×奥行き11.5㎝


①鉄砂釉がほどよく変化していくつかの見所を作っています。
②透明感のある釉薬の魅力。


③胴から縁にかけてのまろやかな線が美しい。


④手に取る前にはひょとすると、と思いました。


限りなく似ていながら幾つかの決定的な相違点が眼を通し、手の皮膚を通し、私の感覚を刺激してきます。
⑤胴や縁の厚さの相違。
⑥胎土の異なり。
⑦造形的には足の部分の作りがもっとも気になるところでしょう。義臣の作品の足のイメージとはかなり異なります。
⑧無落款であることは気にする必要はありません。


⑩このように 小野義臣や市川苔州や竹本隼太などに似た無名の作は案外に多いものなので、これらの釉薬の変化などを無欲に楽しむのもひとつの趣味の方向性だと思います。

 

2022年4月1日金曜日

実生山もみじの作り方

春先に山もみじの種子を蒔いて、10から20本の実生苗で風景を形作り次第に盆栽らしく整えていきます。下にご紹介した株立ち状の風景はおおよそ5~6年生で、樹高は約30㎝(鉢の間口は15㎝)ほどですが、根元はすでに癒着しはじめておりあと数年もすれば盆栽としての古色感が見られるようになるでしょう。


松類の場合は寄せ植えした根と根が癒着するには相当な年月が必要です。ところがもみじや楓の場合は、割と短い年月の間に実生苗の足元が癒着して株立ち樹形と見分けがつかないように発達して、貫禄を示すように変形します。


後ろ姿


長短、大小、強弱などの表現に気を配りながら少しづつ景色を作り上げていきましょう。


山もみじとしては芽先が紅くて細かい。所謂素性のいい優良品種だといえます。


今年の植え替えは必要ありません。来年の春先の植え替えの際には、苗を一本一本ほぐさず、すべての幹(⒓本)を一本の幹として扱いましょう。

このようにすると、盆栽としてはわりと短期間に実生から盆栽を作り上げることができます。あなたもチャレンジして武蔵野の雑木林の風景を楽しんでください。

 

2022年3月26日土曜日

紅千鳥もみじの魅力

昭和の末期、かのバブル景気とともに紅千鳥もみじの人気と相場は並々ならぬものがありました。私自身も、幼児の手首くらいの若い素材に100万円も投資して、やっとこ売り抜けたことなどが何回かありました。
まったくあの時代の盆栽相場は何を基準にしたものだったのでしょうね。
ところでその紅千鳥もみじが、令和に入ってのこの数年、またまた非常な人気となっています。そこで何十年ぶりに紅千鳥をよく観察して、その魅力に迫ってみたいと思います。



庭に植えた2㍍くらいの庭木から挿し穂を取って寄せ植えしたもの。樹高約50㎝。
①やわらかいオレンジがかった紅色の葉がうつくしいですね。シンプルな葉形も秀逸です。

②枝分かれがやわらかい。


③挿し木、取り木にての繁殖が容易です。


④若いうちは、青っぽい木肌をしていますが、持ち込みとともに縦縞入りの美しい白い木肌になってきます。

ということで、なにとぞ適正な相場観をたもって多くの愛好家さんに行き渡るようにお願いいたします。

 

2022年3月16日水曜日

盆栽フリースクール再開しまーす!!

 2年間にも及ぶコロナ禍の影響で皆さんとお会いできない長い日々が続いています。その間には、かなり身近な人が感染したりなど、私もかなり怖い経験をしてきました。

そんなこんなでコロナに対する恐怖心はやや薄れるとともに、わずかながらですが、マスクや会食の重要性などは身についてきたようです。

そこで、やっとのことで、マスクや換気過密など、いろんなことがらに注意しながら盆栽教室を再開することにしました。

そう思い立ったら辛抱できる質ではありません。昨日からさっそく仕事場の片付けを始める気のはやさ!

再開の日は3月20日(日)

○ 午前10時開始~午後4時

○ 雑費・維持費・月1000円(月2回講習)

○ 教材費(随時)

○ 大品・中品・小品・ミニ盆栽

 (いずれも本格的正統派の作品を目指します。

 


2022年2月25日金曜日

楓(個性的な樹形)

山もみじと唐楓は雑木盆栽の王者といって過言でなく、その人気と価値観は盆栽界の評価において、ゆるぎのない地位にあるといえるでしょう。
さて、今日ご紹介するのは小品ながらご覧の通古さ古さと迫力に満ちた双幹です。 


楓双幹 樹高14×左右17㎝


6~7年、愛好家さんよりお預かりして盆栽屋.comの棚に居たのですが、つい先頃あるものと交換して私の所有物になりました。
まあ樹形としては盤状根張りの双幹といっていいと思います。


足元の直径は約10㎝と迫力満点。根張りもほどよく動いており。躍動感に溢れています。この数年、太らすことに専念した成果がにじみ出ているといえましょう。


正面の変更も考えられますが、やはり立ち上がりの力からいって、従来通りの正面を採用すべきですね。
以後、あと一ヶ月くらいで植え替え予定。枝も根もかなりの追い込みと成るでしょう。
その作業の様子など、またご紹介いたします。

2022年2月8日火曜日

紅幸太郎石



北海道の日高山脈を流れる沙流川に産する幸太郎石は、その色彩の多様さと石質の良さで知られています。
時として、黒、青、赤、紫などまるで捏ね合せたのでは思うほどに多様な混じり方をして、私達に自然界の神秘性を見せつけていくれます。


最近入手した紅幸太郎石、かなり気に入っています。

 

間口35×奥17×高さ13㎝で雄大な景を表現するのに適した量感があります。


主峰と副峰のバランスが絶妙、前後の位置関係も遠近感にとむ。


後ろ姿。主峰と副峰の重なり具合が迫力ある姿の源です。


真上からの図。


水石界の常識で許される範囲の加工は施されています。
それにしても高等技術ですね。
人工のマイナス点も養石による時代感による味わいが救ってくれます。

 

2022年2月6日日曜日

五葉松(銀性八房)

その培養の歴史は明治時代はおろか江戸後期まで遡るほどに長い歴史を持つといわれている銀性八房五葉松。現代においても息の長い人気を誇っています。
この人気の秘密は、何といっても緑の濃いあの美しい葉の性質と強壮な樹勢に
あるといえましょう。


特に近年の気候の温暖化の影響による暑さにもよく適応してくれますから、盆栽界にとってはこの上ない樹種といえましょう。


正面に細い枝を抜いた小さな傷があります。数年で
埋まるくらいの軽微なものですから気にしないでも大丈夫!


今までに未だ本格的な樹形作りの段階までは達していなかったので、この数年のうちに枝配りのきほんを整えるつもりです。


正面やや左方面から眺める。



この樹種の特徴として、葉の吹込みがわりと簡単なのでこの程度の葉透かしが可能です。


このまま2作もすれば枝棚はびっしりと吹き込んでくるでしょう。
その時には全体の姿にさらに充実感が出てくること、もちろんです。

 

2021年12月31日金曜日

謹賀新年

 


謹 賀 新 年

昨年中はお世話になりました。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


令和四年 元旦



〒270-0023

千葉県松戸市八ヶ崎5-45-1

みやもと園 (盆栽屋com ) 宮本孝行


2021年12月22日水曜日

平安焼き締め焼き締めもの

長年親しくお付き合いしている市内の愛好家から、間口41㎝の東福寺としては破格に大きな実用鉢を譲っていただきました。高温で焼いたときにゆがまないように、また強度が増すように、粘土に練り込むシャモットが適度に弾けていて、その生地の味わいがなかなかです。



梨皮泥切立二段切足楕円

間口41×奥行き33×高さ7.8㎝


縁に細かいホツレのような痕跡が見えますが
これは「シャモットの飛び」と呼ばれる、焼き締めもの特有の制作過程に
見られる微細な凹みです。


釉薬ものが女性的とすれば、シャモットをふんだんに練り込まれた焼き締めものは
男性的な力づよさが持ち味です。




ホツレではありません。味として見てください。


適度な深さもあって使いよい形状です。


梨の皮のようなツブツブ、梨皮泥(りひでい)と呼びます。



この東福寺の焼き締め鉢の質感は、支邦鉢でいうところの荒紫泥(あらしでい)にそっくりですね。この堅牢でおおまかな質感は文人好みの南蛮皿にも共通していますね。





落款は楕円に東福寺
いあゆる「わらじ落款)です。