2018年6月16日土曜日

捩幹ざくろ開花

捩幹ざくろは幹も枝も、成長とともグルグルと捩れる性質を持っています。さらに、水吸いの縦方向の独立性が強く、横方向、つまり両隣からの養分の移動がかなり少ないのです。ですから、例えば他の盆栽樹種(もみじ・かえで)などでは、大きな枝を切った場合でも葉で作られた養分や根から吸い上げた水分などが、上下左右の四方から傷口の治癒のために応援が駆けつけます。
しかし、捩幹ざくろの場合は、左右の水吸いは知らんぷりされて援助なし。ですから太い枝を切れば、盆栽の場合ほとんど例外なく、その下方が螺旋状に焼け込んでしまいます。この点が石榴盆栽の培養上で忘れてはならないポイントです。

樹高15cmの捩幹ざくろ

ミニ盆栽として流通する捩幹ざくろは少ない。このミニ盆栽は5年ほど前に筆者が手に入れて、まだ素材の段階であったのをようやく盆栽らしくここまで培養したものです。

どっしりと構えた足元の力強さはミニながらけっこう迫力あり。一、二、三と枝順もしっかり整い、各枝に力強さも具わっていて、全体としての構図にも動きがあります。

10日ほど前に開花。緑色の葉と橙色の鮮やかな実の対比が、初夏の陽光の元で鮮やかに輝きを見せて新鮮です。木肌の質感も雅味があってそれも魅力のひとつとなっています。

ところで話題は代わりますが、捩幹ざくろの幹は右(時計回り)ですか、それとも左回り(反時計回り)ですか、皆さん知っていますか?
捩幹ざくろの幹は足元から芯に向かって時計と反対回り、つまり左巻きに捩じれています。その他ツタ類などの植物でも捩じれる性質のものは、その樹種によって右巻きか左巻きに決まっているそうです。つまり、捩幹ざくろはすべて左巻き、ということです。

後ろ姿
傷っけはまったくありません。

幹の捩じれが左巻き(時計の針と反対回り)になっていますね。この捩じれが他の植物(つる性のもの)によっては右巻き(時計回り)という場合もあるそうです。自然界は不思議ですね。

ちなみにこの現象は、台風が北半球では左巻きで南半球では右巻きになるという、地球の自転とは無関係だそうなので、物理学(コリオリの力)で説明するまでもなく、植物学の問題だそうです。(笑い)

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