人さまの家に朝6時の電話をかける行為は普通は遠慮しますが、この場合は断じて別
何故って、仕入れた盆栽を一番乗りで物色するためなのです、許されよ!
内容を聞いてみると、まあまあの盆栽を10点ほど仕入れたとのこと
約40分くらいの距離なので、ともかく一番乗りを約束し、朝飯も食べずに、そく出かけました
盆栽屋同士の「一番先に見せる」という約束は、文字通り先に他の人には見せない(隠しておく)
もしくは、買いたい人が来ても売らない(二番手は私の選ったあとで物色する)ということなのです
このように、盆栽の仕入れには、普段からのコネクションと情報収集
それに約束事がものをいうんです、口約束でも契約は契約というのが盆栽屋流
というわけで、着いてみると、10点のうちでこの荒皮性のまゆみだけが、ばかに光って見えました
それもそうです、他の9点もそれなりにイイものでしたが、このまゆみと一緒にされては、とたんに霞んでしまったのですね
「こんな素敵な奴にはめったに出会えないぞ!」
ミニ盆栽懸崖としてこれ以上ないと思えるくらいの理想的な姿で、一分のすきもなし、完璧!
山で皮性(かわしょう)と枝性(えだしょう)の優れたものを探し出し
根伏せで殖やしたものだそうで、樹齢はおおよそ20年に近いでしょう
根元から立ち上がった幹に微妙な模様があり、ここが第一の見せ場になっていて
とても10cm以下のミニとは思えない迫力が感じられます
下垂した枝先も長すぎずしまっていて、バランスがいいですね
枝が長すぎるとせっかくの足元の力がボヤケテしまうのです
ともかく、超一流の展示会(国風展・雅風展)に楽々と通用する最高レベルの名木
鉢も無名作家のものですがよく映っています
まあ、しいてこのまゆみの難点を上げるとすると
このまゆみが完璧すぎちゃって、席飾り際にふさわしい相棒たちを見つけるのに苦労するだろうな、ってことでしょう
足元の拡大図
立ち上がった幹の動き(模様)
躍動感がありますね
木肌の荒れにも迫力と気品が感じられますね
根張りまで荒れた木肌にご注目
立ち上がった幹が激しく屈曲して下垂する角度もよく
縦に深く割れた幹肌も魅力満点です
上方から見ると、根元から枝先までの距離が案外に短いのが、よーくわかりますね
さきほど言ったように、この距離が長いと樹形がダレテしまうのです
上から見ても幹に模様があります
この上からの模様が全体の樹形に動きと変化、それに奥行きを与えているのです
盆栽界の格言に「名木に裏表なし」とありますが
まさにそうですね、どっしりと落ち着いた風格のある後ろ姿です
今日は最初から最後まで自慢話でした
では
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