昭和のバブル期に登場した「紅千鳥もみじ」
当時あまりの人気に、「紅千鳥」のようであっても、厳格に判定すると首を傾げたくなる「類似種」も出回りました
春の芽出しは鮮やかなオレンジ色がかったピンク色ですが、入梅頃になると山もみじのように緑の葉になってしまうため
その後の見分けかがつかず、業界でもかなりのトラブルが続出しました
そして始末の悪いのは、上記の理由で「真性」と「類似種」の区別がつきにくいところから
盆栽界の悪しき習慣で、「だろう」が「だ」になってしまい、悪意でなくとも、最後に泣きを見るのは愛好家さんたちでした
紅千鳥の特徴は
1 春の芽出しの美しさ
2 やや小ぶりな端正な葉形
3 繊細な枝先
4 持込とともに真っ白に仕上がる木肌
5 取り木などの繁殖が容易である
などが挙げられますが
さあ、そこで問題なのは紅千鳥とその類似種を見分けるコツ
落葉期でも木肌の雰囲気で見分けが可能ですが、なったって今日ご紹介する葉形で判定するのが一番です
ちなみに、盆栽屋.comは生え抜きの「もみじ大好き人間」なので
「紅千鳥」登場の初期段階からこの判定法を身につけていましたから、トラブルに巻き込まれたことはありませんでしたよ
この方法は現在でも、専門の盆栽屋の間でも案外に知られていません
ですからこの記事を読んだ方は、今日から「紅千鳥の専門家」としてちょっと威張れますよ(笑)
今年取り木によってゲットされた紅千鳥の超ミニ素材(樹高4.0cm)
赤味がかった新枝の軸の色が紅千鳥らしい
でも、これは紅千鳥だよ、って言われなければわかりませんね
紅千鳥の葉
別な鉢の紅千鳥からから採取した葉、下の山もみじの葉とよく見比べてください
そして、その違いを発見しましょう (わっかるかな!?)
山もみじの葉
そうです、紅千鳥の葉は5ツに切れ込んでいますね
比べて、山もみじの葉は両端の裾に小さな切れ込みが入って正確には7ツですね
簡単なことですが、これが決定的な相違なのです
・「紅千鳥」は5ツに切れ込んでいる
・「類似種」や「山もみじ」は7ツに切れ込んでいる
のです
注)紅千鳥もみじの葉をよく観察すると、その中にたまたま「右の葉」のように
端ににちょっと切れ込みが入って(赤点の箇所)正しくない形のものが混じることもあります
これは紅千鳥が山もみじからの派生種であるため
先祖の血がたまたま出現することによるので、気にしなくても大丈夫
では
0 件のコメント:
コメントを投稿