昨日買い求めた赤絵のミニ鉢の図柄が、偶然にも前項で紹介した五彩鉢によく似ていて
それを眺めているうちに面白いテーマを思いついたので、みなさんにお話してみます
月之輪湧泉の筆使いの繊細さは湧泉ファンを魅了する第一の要素ですね
「細い線でよく描き込んであるよ」
「線が細かくていい絵だよ」
これらは、湧泉の鉢を誉めるときの決まり文句です
ところで、ここに大きさの異なる湧泉鉢が二つ揃いました
赤絵と五彩の違いがありますが、ともかく図柄はよく似ていますので比較してみましょう
間口5.3×奥行4.7×2.0高さcm
間口9.4×奥行8.3×高さ6.1cm
どちらも、今まさに沖へ向かって舟が岸辺を離れたところで、船の形や人物の数などや違っていても
船頭が櫓をこぐ姿はそっくりで、作者の頭にイメージとしてインプットされている図柄は同じものといっていいでしょう
ところが赤絵と五彩との線を比較してみると、五彩のほうの線が太く強く感じます
???
湧泉の線はもっと細かったんじゃなかったっけ!
そういう感じを持たれても冷静になってください
比較した二つの鉢は大きさがまるで異なるのです
ちなみに、画面の大きさを比較すると五彩の画面は赤絵の約6倍あります
画像で比較するとおおよそ次のようになるんですね
五彩画を四分の一に縮めてみました
いかがですか?
線の太さはおおよそ同じになりました
面白いでしょ
以上のことからいえることは
湧泉の繊細な細い線は、ミニ鉢を基準にしているものであって
画面が大きくなればその分やや太く力強い線も使いこなす、そういう事実です
そして、大きな画面に描く場合、ミニ鉢に用いるような細い線ばかりでは
絵の印象が弱くなってしまうのですね
おわかりですか
これからは湧泉鉢に限らず絵鉢に臨んだ場合は場合は
線の太さ(細さ)と強弱、そして鉢のサイズまで考慮に入れて鑑賞するよう心がけてくださいね
それでは、ついでに赤絵ミニ鉢の画像もご覧下さい
側面をのぞく角度より
良質な磁器の土と釉薬が高級感を醸し出しています
同じく側面をのぞく角度より
反対正面
側面
側面
鉢裏のようす
落款は【月之輪湧泉】
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