2005年8月28日日曜日

湧泉五彩絶品紹介

絵鉢界の最高峰、月之輪湧泉五彩長方の絶品を手に入れました
ところで、名品を手に入れるためには、良い人間関係と、闘志と辛抱が必要です

普段から人間関係を大切にしておくと、話は思わぬ転回で自分に味方してくれるものですし
いざチャンス到来のときに、闘志さえあればなんとかなるものです

そして、辛抱、これが案外難しい
急いてはことを仕損じる場合もままあるのです

さて、手に入れた名品をご紹介しましょう
ごゆっくりご覧下さい


月之輪湧泉作・五彩撫角長方 間口9.4×奥行8.3×高さ6.1cm

この作品と意匠(形・デザイン)や絵柄の似ている作品が幾つか存在しますが
いずれも名品との誉れ高く、さすがに湧泉全盛期の作品であると高い評価を受けています

湖水の際の楼閣に二人の人物が居ます
樹木の緑、楼閣の屋根の青、着ている衣の赤と紫がそれらにうまく調和して鮮やかですね

足の渋い紫の意匠が使い込みの時代感とあいまって、この鉢全体に落ち着きを与えています


側面をのぞく角度からです


同じく側面をのぞく角度からです
楼閣の下に繋がれた舟の先には広々とした湖水、この角度のながめもすばらしい


反対正面

舟の上では二人の人物が相対して、舟を操る船頭の動きに躍動感が満ちています
遠くの山裾には雲がたなびいていrますね、これはこの山が非常に高いことを暗示しているのです


鉢底

時代感のある湧泉の鉢は少ないのですが
これほどの名作には珍しく、かなり使い込まれたことがわかります


鉢底


鉢底

茶色いのは水穴に敷いた網を止めた針金の痕でしょう
落款は【月之輪湧泉造】


正面拡大図

筆致は繊細を極め、その動きも速いですね
画面の細部にわたるまでに丹念な描き込み、まさに全盛期の作品です


側面拡大図

湖水に張り出した半島の描き方などは、後の作家・藤掛雄山などに強い影響を与えています


反対正面拡大図

船頭の股引と船の屋根に白色の絵の具が用いられています
さすがに手抜きはしていません


側面拡大図

対岸に立つ高士
楼閣の友人を訪ねる舟を待っているのでしょう


湧泉絵画の魅力に、四面の【廻し絵】の巧みさがあります

正面と右側面の角より見ます
左に楼閣右に対岸に舟を待ち岸辺に立つ高士

右奥に湖水は広がっています
構図もみごと


正面と左側面の角より見ます

角で絵の流れが寸断されることはありません
ここが優れたところです


反対側の正面と右側面の角より見ます

船の向かってる先の人物は既に動いていますね
表現が細かい


反対正面と左側面の角より

今回は【廻し絵】の魅力も知っていただきたく画像をたくさん使いました
みなさん。堪能していただけましたか?

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