2005年6月6日月曜日

大助本領発揮

大助の傑作鉢はかなりの数を見てきたつもりですが
またまた素晴らしい作品に出会えました

安藤広重の木曾街道69次の軽井沢宿は、旅人の一瞬の動きを捉えた名作として知られますが
大助はその模写を、鉢という限られた小さな空間にみごとに描ききっています


佐野大助 五彩正方鉢 (安藤広重・木曾街道69次の内より軽井沢)

夕闇迫るころ、やっとの思いで宿場に着いた旅人が、焚き火を見つけて煙草を一服しているようすです
正面の絵は、馬上の旅人が身を乗り出して馬子のキセルから火をもらおうとしている一瞬でしょう

それでもなお馬子の足は目指す宿の方向に向いていて
よほどに急いで様子が遺憾なく描かれています

当時は夜間の旅は許されなかったといいます
日の暮れに急かされている人馬の一蹴の動きがみごとにとらえられていますね

叙情性あふれる画面、押さえ気味の色彩の格調、構図など璧な仕上がりですね
広重の原画もみごとですが、小さな空間に描き取った大助の技量もみごと


後ろの旅人は焚き火にむかって腰をかがめてキセルを差し出しています
一瞬をとらえたみごとな描写力


旅人達が目指す先には軽井沢宿の家々が待っています


木曾街道69次の内 軽井沢


鉢裏は大助の落款


正面拡大図
構図、色彩、人物の動きなど、すばらしい描写です


画面が90度に折れても画面の流れによどみがなく、大助の力量は「鉢の角」を苦にしていません
これは湧泉、石州、一石、雄山など絵付けの名人達に共通しています


ユーモラスな人物描写
優れた叙情性が感じられますね

こんな絵付を見ると、ますます大助ファンが増えることでしょう
私も改めて大助の技量の高さに感動しています

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