小品盆栽鉢の世界には、いわゆる合作といわれる名品が数多く存在します
戦前の植松陶翠と品野茶山、戦後の平安香山と同じく品野茶山、月之輪湧泉と清風与平等々
小鉢史上に燦然と輝く名作が揃っています
合作鉢は、作品それ自体の楽しさと同時に、作家同士の交遊の証を垣間見ることができ
小鉢界の知られざる歴史を語る資料としても非常に貴重なのです
また、佐野大助の作品はすべて合作とも言えます
ということは、佐野大助は原則としてはボディーを作らず、絵付けだけに専念したからです
ところで、ボディーも絵付けも得意な木黄鉢にも希少な合作鉢が存在します
宇野登という、その道ではちょっとは知られた趣味性の強いボディー作りの名人がいるのですが
その作品に木黄が絵付けをしたものがあります
ほのぼのとした新鮮な色彩感覚の木黄の絵画
柔らか味のある宇野のボディー
その両者の個性があいまって非常に雰囲気のある詩情溢れた作品となっています
強い個性同士の相性がよかったのでしょう、新鮮味のある名品です
木黄画 五彩絵付外縁隅入長方鉢
宇野登のボディーに木黄が五彩画を施した合作珍品
二人の合作シリーズは僅かな数が確認できますが、その中にあって最高レベルの作柄を示す名品といえましょう
木黄のほのぼのとした五彩画は、さわやかな色図使いとリズミカルな筆のタッチが印象的です
趣味人・宇野登のやわらかな線が見どころのボディー
水彩画を見るような新鮮な色使い、のどかですねー
側面に金彩で木黄の為書きが記され
鉢裏のには宇野登と木黄との落款があります
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