昔の人は、墓場などに狐火とか鬼火とかを見たといい
それを”狐の嫁入り”行列の提灯の灯りだと信じたようです
また、天候の加減で日が照っているのに雨が降る場合があると
その天気を”狐の嫁入り”とか、お狐様の嫁入り行列が通るよ、などといったものです
さて、この想像上の”狐の嫁入り”行列の図は鉢作家の好む題材で
お供は雄狐だったり雌狐だったりしますが、かなりの作家が描いています
しかし、どの作家も数は多く作ってはいません
みなさんにこんなに人気のある図柄なのに、なぜでしょう
私の推測では、思う以上に難しくまた手間のかかる仕事なのでしょう
雄山ほどの作家でも、めったにお目にかかれないのですから
私も数年ぶりに雄山の”狐の嫁入り”の丸鉢に出会いました
前回のは楕円鉢だったことを憶えています(憶えているほどに少ないんですね)
貴重な「狐の嫁入りの図」
雄山が円熟期を迎えた後期に入ったころの作品と推定されます
白磁の冴えた色とほどよい呉須の対比が出色の出来栄えで
ロクロ技術の正確さもその端正なボディーに表れています
お供の狐達のそれぞれの表情、おもしろいですね
役目により身に付ける着物も違っています
角隠しを被った”お嫁さん”に「お嫁さん、お年はいくつ?」と問うて見たくなりますね
お籠の側の小柄なお供は身分の高い”お女中”らしく、威張った感じ
お籠の担ぎ手は4人とも口を開いていますね、疲れているのでしょう
的確な描写力と細部へのこだわり
見ごたえがある作品です
提灯を持ったお供が振り返っていますね、後の狐に語りかけているのでしょうか
それとも、行列の乱れを点検しているのでしょうか、いずれにしても年増の先輩格のように見えますね
雄山の筆力に感動します
足と鉢裏
雄山鉢の熱心な収集家が所蔵していたもので
ふつう雄山の共箱・共布はめったに見ませんが、懇願して書いてもらったと聞きました
共布です
珍しい
ともかく”狐の嫁入り”を何人もの方から頼まれています
探さなきゃ!
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