2004年6月18日金曜日

東福寺鉢の鑑定(その2)

さて、今日も東福寺の鑑定のお話
東福寺についての勉強は、過ぎるということはありません

作陶期間が長く、作品の数が膨大で、作風も多彩を極め
そして当代第一の人気作家なのです

全貌を知るためには、もっともっと勉強しましょう
損はありませんよ


東福寺二代作  瑠璃釉太鼓胴丸鉢

昨日ご紹介した緑釉の東福寺太鼓鉢と同型の瑠璃釉の丸鉢
深い瑠璃釉の発色が素晴らしく、太鼓胴に打たれた鋲も小さめで品がよい

これも二代目の作品で、こちらの方が価格的な評価は遥かに下ですが
初代作品と間違えやすいという点でとり上げてみました

どこが間違えやすい点かといいますと
↓の二つの落款です


鉢底の中央にピリッと入った楓落款
浅目でクッキリ、乱れはありません
初代そっくりで、落款からは盆栽屋.comでも見分けがつきません


鉢底の隅に小さなハンコウ落款
これもすっきりしていて、初代そっくり

というわけで、東福寺の鑑定に際しては
落款ばかりをあてにして鑑定すると、大変なことになりますね

愛好家の方々の収集品に、この手の二代目を見かけることがありますが
ほとんどの方が、初代作品として購入されていますね、お気の毒です


落款があてにならなければ、どうしましょう
何を基準に鑑定したらいいのか、不安は募ります

ご安心を
他にも決めてはあるんです

昨日もお話したように、鋲の形や打ち方には初代特有の癖があるんです




上が二代目作品のの鋲、下が初代のものです
昨日お話したように、初代のには手作りの味がはっきりと釉薬の下に見えますね

ここが決定的な相違点です
よく憶えておいて下さいね

初代作(瑠璃釉丸鉢)

ところが、もし鋲が打っていない鉢だったら、これはまたまた難題になりますね

そんなときは釉薬です
例に挙げた三点の釉薬を比較してみましょう

そう、二代目の作品の瑠璃釉薬には、透明感と艶が不足していますね
比べて、初代作品の釉薬には深い透明感と艶があります

ここも決め手になるのです
勉強になりましたか?

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