ミニ盆栽としては非常に数が少ないサンザシですが、その原因はやはり実生や挿し木、取り木などの繁殖法が難しいせいでしょう。
ところで、サンザシには紅花と白花があって、出回っている紅花のほとんどは八重咲きです。比べて白花はほとんどが一重咲きでこれらは実の成る性質です。この二種類を比べてみると白花は花も実もやや地味な感じで、やはり紅花の華やかさと可憐さには一歩も二歩もゆずる感じです。
つまり一口で言うと、 紅花の方が人気があるということですね。
ところが、ミニ盆栽で有名な松平伯爵のコレクションの中には、紅花でありながら一重咲きの紅花のサンザシが愛培されていたのです。昔から好事家の中では知られていたことでしたが、なにせ申したように繁殖法が限られているサンザシのことですから、相変わらず絶対数は殖えず現在でも依然として珍品扱いです。
一重咲きは八重咲きに比べると、花がやや小ぶりで締まった感じです。華やかさよりも可憐で清潔感があり、そのうえ凛然とした強さも感じられ、非常に魅力的です。
去年、旧い愛好家さんの所持品を整理した中に一重の紅花サンザシが混じっていました。
開花の時期がきたので見分けがつきました。可愛らしい花、小輪でも見ごたえがありますね。