2019年7月26日金曜日

朝顔

朝顔に つるべとられて もらい水  加賀の千代女

夏の風物詩、入谷の朝顔市も終わって梅雨も空ける季節になりましたが、今年の日本列島はどうしたことか、まったく予想外の長雨が続いていて、ほとんど晴れ間が見えません。

ところで、そんなはっきりしない天候の日々ながら、朝顔の好きな私は、例年のように朝顔生産農家から3鉢ほど買って、盆栽棚や玄関に置いて毎朝眺めています。

朝顔は江戸の昔から庶民に好まれ、露地植えはもちろん鉢植えとしても庶民の間で大いに流行したそうです。なかでも通人などは凝った銘鉢などに小さめに仕立てて楽しむなど、さまざまに趣向を凝らして多様に楽しまれました。

花の色調も時代によって人気は異なるようで、現代ではややかわいい系の派手な色合いのものが好まれるようです。
ちなみに、明治から大正・昭和あたりに好まれたのは、海老茶色や茄子紺などの渋いものが流行した時期もありました。
ですから、明治期の小野義真などの渋い銘鉢などが惜しげもなく朝顔鉢として使われているのを見聞した経験がありました。
めったに大衆の目に触れないような銘鉢に何気ない朝顔が植えられて、玄関先におかれて訪れた人の目を楽しませてくれた。それほどに江戸の町の風物詩として庶民の間に浸透した文化だったようです。
来年こそはちょっとしゃれた鉢を使って、盆栽のように床の間に飾ってみましょうか。
みなさんも、いかがですか!

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