2019年7月17日水曜日

若原英正・唐金添景

若原英正は明治中期から昭和の40年代にかけて生きた唐金(青銅製・からかね)の添景作者。添景は一説によると細川流煎茶道の流れをくむと言われ。英正の作品はその精巧な技巧と深い叙情性に特色があり、斯界における名人の名をほしいままにしています。

ところで、折よく現在我が盆栽屋.comの手元に、共箱に入った英正作品があるので、この徒然草でみなさんにご紹介しましょう。↓の箱書きからご説明いたします。
まずは表書は青銅、漁舟(いざなぶね)、つまり近海で漁をする小さな舟のことです。

櫓を上げて岸辺に停泊している静かな景色ですね。そこには深い叙情性が感じられます。
このあたりが写実力に品格のともなった英正の最大の特徴といえるでしょう。

船頭のいない情景ですが、しっかりと舟の動きも表現されています。

この角度から見ると小さなこの舟が生き物のように動きが表現されています。

共箱表書き 青銅 漁舟 

共箱 裏書き 平安 素芳庵 英正 花押

若原英正は平安素芳庵と号しました。この箱書きが本物です。共箱の偽物も時々目にしますが、本物をよく見ておけばその格調は明らかに異なります。



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