2019年7月21日日曜日

曙山・唐金添景

一説には師弟関係にあったとも伝えられる同時代の名人・曙山(しょざん)の作品も、数は少ないながら、英正に勝るとも劣らない出来栄えと品格を示す名品が実在します。故に唐金(青銅製)の添景に世界においてはこの二人の名人をもって巨匠とされています。
ただし冒頭に触れたように、作品の数においては曙山の方がはるかに少ないため、希少性という意味から評価に影響の出る場合もあります。

曙山 唐金添景 間口5.0㎝×高さ2.0㎝

唐舟に高士が乗り船頭が巧みに櫓を操っています。その高士と船頭の微妙な動きが、この小さな船上に生き生きと表現されています。まさに驚くべき写実力といえるでしょう。さらに色濃く滲むしっとりとした情緒もみごとに表現されています。
まさに英正に勝るとも劣らない秀逸な表現力と云えるでしょう。

斜め後方より眺めても、舟、帆、船頭、櫓の動きが一体となってバランスの取れた構図が実現されています。


再び正面より見る。

落款が面白い位置に捺されていますので検証してみましょう。

後方から見た船頭の足元の帆の部分に【曙山】と捺されています。通常は船体の下に捺されているのがふううです。帆の紋様に紛れていますがはっきりと判別できますね。

正面の図。

反対側正面の図。

裏側やや上方より。

やや明るい画面で見ると人物の動きなどがよく識別できます。

動きと変化と統一感がみごとなバランスで実現された、英正と並び称される曙山の名品です。

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