2018年3月20日火曜日

大物唐楓

私の営業拠点である地元松戸市内には、昔からミニ盆栽の伝統が希薄で,どちらかというと大物盆栽嗜好の愛好家さんが多数派でした。それがこの10年来,愛好家さんの高齢化の影響などもあって、大き目の盆栽はかなり敬遠され手いる感じです。そう言う私ですらネットの商いに力を入れているせいもあって、ミニ盆栽中心の棚になっています。

とはいえ、あまり広くない盆栽置き場であっても、ネット商売に関係ないサイズ違いの太物や、背高のっぽの文人木なども日常の視野の中に存在していないと、なんとなく寂寥間を感じるときがありますね。盆栽人は贅沢にも無意識のうちに、いろいろなジャンルの盆栽に囲まれていたいんでしょうね。

まあ、そんな欲求不満を薄っすらと自覚しかかっている折柄、ある競り市で↓の車の中の唐楓にお目にかかったというわけです。樹高は70cmで左右の幅は80cmほど。幹の足元の直径は40cmくらいでしょう。

私の好きな樹種だしボディーや枝の筋も優等生です。競り負けないように腹に力を入れて気合よく落札しました。相場もけっこう手ごろだったのでご機嫌で鼻歌が出ましたよ(笑)

重量はどのくらいでしょうか?と問われれば、とにかく重い、と答えるしかありません。私らの年齢では二人で必死に持ち上げる感じ。油断すると怪我でもしかねないほどの重さです。

作風からしておそらく名古屋方面から持ち込まれたものだと思います。鉢の間口は75cm、樹高は意外にも70cmで納まっているのが嬉しいですね。ボディーの直径は楽に40cmくらいはあるでしょう。

ところで、なぜ車から降ろしてみなさんにご紹介しないかというと、重くてとても一人じゃ持てないからです(笑)。

敷いた毛布ごと荷台の後部へ引っ張ってきたものの、とても一人では無理。というわけで、日曜日のスクールに生徒さんが集まる日まで、車の中でキャンピングということになりそうです。

というわけで、一人で持ち運びのできない点は不便ですが、余程の練達の作り手が手を入れたものらしく、根は浅めのオカメ小判にピッタリと収まって傷なく、ボディーの模様も苔順もみごとです。枝は巧みに曲付けされて無駄枝はなく、毎年的確に剪定されていることがわかります。まあ、ボディーの数ヶ所に枝抜きの傷がありますが、それほどの苦労なく巻き切る程度のものですから、心配いりません。

それでは、車から降ろされて優雅な後姿もご披露できる日まで、しばしお待ちください!

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