2018年1月16日火曜日

国風盆栽展


恒例の国風展もそろそろ100回の大台に近くなってきました。この100回のことは盆栽界に長くいると案外あたりまえの感じで、今年もまた国風シーズンがやってきた、などと気楽に形容していますが、一言で一世紀続くというのはすごいことですね。

ましてやその100年の間に日本国は、開闢以来といえる未曽有の大ピンチを経験して、あわや滅亡するのではないかというほどの経験までしているわけです。

国家の総力を挙げて世界中を相手にした大戦争に負けたのですから、日本という国が地球上から亡くなっても不思議はありません。ともかく、よくも日本人が地球上に生き残ることができたとも思えるほどの歴史的な戦争だったはずです。

ところが、戦中戦後の花より団子の時代にさえ日本古来の伝統文化の復活と発展を願う人々は存在したのですね。この記念帳に載っている数々の銘木や銘器が今日まで受け継がれている例はすくなくありません。

一世紀も前の銘木や銘器の雰囲気に触れながら、伝えられてきた盆栽文化に敬意を払いたいと思います。

昭和10年1月1日発行の第2回国風盆栽写真帳。実際に展示会が開催されたのは前年の12月4日より同10日までの6日間でした。場所は現在の上野公園にある東京都立美術館です。

右側の上のページが旧の都立美術館(昭和43年ごろ改築)で、左中央には会長・松平伯爵夫人の姿が写っています。

上のページの一席は巣鴨の斉田衆芳園主のもので、下はこれまたあまりにも名を知られた原田峯雲作の銅水盤のプロデューサー役を果たした鈴木豊香園主の席飾りです。

いずれも近代の盆栽史上でも重要な役目をになった大家です。


(スキャンするために(ページが曲がってしまいましたが、この席が会長・松平頼寿伯爵の席で下が副会長の酒井忠正伯爵の席飾りです。

国風展の写真帳は、全巻の揃ったものが世の中に2~3組あるそうです。私も昔は全巻の蒐集を志して第一回とこの第二回から揃えようと思ったのですが、途中でその道の遠さに気がついてわりと早めに挫折しました(笑)

ちなみに30年ほど前にオークションで落札したのですが、初回本は10万円で、この二回目本は3万円だったのを覚えています。

暇を見ながらもう少し鮮明にお見せするように努力してみます。では。








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