記録的な暑さの夏もようやくやわらいで、やっと秋の気配が感じられるようになりました
みなさんの盆栽たちはお元気ですか?
防寒と防暑対策は盆栽人にとってもっとも大切な年中作業なのですが
過去において関東あたりでは、防寒に比べて暑さ対策の方が軽視されがちな傾向にありました
夏は水切れさえおこさなければ、葉が萎れたらたっぷり水をやればなど
案外呑気にかまえている盆栽人が多かったようです
ところがこの数年の夏の気候は、水だけ間に合えばどうにか切り抜けられた一昔前のそれとは
ちょっとレベルが違ってきているようです
連日あの強烈な強い日差しに照らされては
たとえ水が間に合っても、葉っぱからの蒸発に根の活動が追いつかず、とても正常な生育は無理だと思われます
そこで今年は、昨年はじめて寒冷紗を用いて得た教訓(↓)をさらに徹底し
守りの培養ではなく、夏でも盆栽たちがすくすく育つような、攻めの培養をめざして寒冷紗の設置を行いました
もはや盆栽界では、寒冷紗を使わない人は
確実に少数派といえましょう
参考になるページ
「昨年の教訓」の要点
1 乾き方がゆっくりなので、急激な乾燥でうっかり葉焼けを起こすことがなくなった
2 夏の暑い盛りは、急激な乾燥を恐れて、ついつい前倒しで水やりを行いがちだったが
「乾いたらやる」という水やりの基本が守れた
3 そのため、過水に陥る鉢もなく、全体に適度な湿り気を保てた
4 おなじく、過湿の傾向がなくなったので、ナメクジが少なくなった
5 枝や幹を太らせるために徒長させている枝先の芽が、日に焼けずに寒冷紗の下ですくすくとよく伸びた
などなど、水やり手間の軽減よりも
水の量が少なくてすむために生じる培養上の利点がたくさんありました
この方角から西日が入る
昨年は通風を考慮して、半分の長さの寒冷紗を前掛け状に垂らしたが
今年は下まで垂らして完全密封したので、西日が遮断されさらにいい結果が得られた
9月になって裾を少しばかりめくって通風を図っている
この場合に大いに役に立ったのが、寒冷紗の上から支柱にはめ込む小道具・パッカ(水色)でした
こんな感じ
ワンタッチで寒冷紗を支柱に張り付けることができる(ビニールハウス用)スグレモノ
針金などで留めるよりも楽に、しかも寒冷紗を傷つけないのがありがたい
右側の裾をまくった面も盛夏の間は西日を完全にシャットアウトしました
骨組の参考図
縦と横の組み合わせに斜めに筋交いを入れると、たちまち横揺れに強くなる
アルミの円管にビニールを被覆した棒、それらを結束しているのはビニール製の結束バンド(これが便利)
短めの筋交いでもかなり有効
最後になりましたが、土台(基礎)は鉄筋棒を1mくらいに切断して半分ほど土中に差し込み
それへ棒を垂直に添えて柱にします(掘立式)
土台部分の拡大図
この方式でも高さ2mくらいの日除けは十分可能
筋交いを多用すればそれ以上も可能で、かなりの強風にも耐えられます
格棟間の連絡通路の出入り口
寒冷紗の切り口がホツレないよう、ガムテープで両面から養生しておきます
以上が寒冷紗による日除け設備の要点です
それぞれの盆栽置き場の環境は異なりますから、さらに知恵を出してがんばりましょう
それでは
来年こそ寒冷紗!
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