2008年3月20日木曜日

紅千鳥もみじ

昭和の末ごろから平成にかけて一世を風靡した紅千鳥
芽出しの色が鮮やかで葉形も小さく端正、そのうえ持込により真っ白に仕上がる木肌も美しい

だが、当時さかんに作られたものは大物盆栽がほとんど
いまでも小品盆栽、まして10cmサイズのミニはほとんど見かけません



さて、今回手に入れた紅千鳥、ごらんのようにきれいに曲線を描いて裾野をひろげた足元
幹模様、コケ順、枝配りも万全

これほどの優れた素材
焦らずにじっくりと時間をかけて仕上げたいものです

座元の左右は7.0cm強
樹高は10cmでおさまります


正面の拡大図です

幹模様、コケ順もよく、枝順も出来上がっていますから
未完成な頭部を検討してみましょう


足元からの模様の流れを追っていきますと
白点に位置当りが芯の位置であることがわかりますね


白点が芯候補として残す芽
左右の青点も枝として残す芽ですね

三つの赤点の芽は取り除きます


赤点を消してみました

とはいえ、白点もこのまま芯として最後まで使うかどうかはまだ未解決です
白点の枝の元から、さらにいい角度に短い芽が吹けば、躊躇なく切り替えるでしょう

足元からの模様に添って、小模様の入った愛嬌のある頭を作ることが最大の課題です


後ろ姿


ところで、不思議なことに縦長の蘭鉢に入っていますね
その謎は?

間口はあまり広げずに縦長の素焼き鉢で培養すると
植物の根の向地性の原理によって、どんどん下方へ伸びます

そして、根の伸長により目を見張るほどに培養の効果が上がるそうです

見てくれよりもこの紅千鳥の培養を最優先させた実験です
二年間はこのままで肥培してみます

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