2008年1月4日金曜日

紅千鳥改作計画・ミニ盆栽時代に挑む

小品盆栽の人気が高く、サイズもどんどん短縮されてくるいまや10cmクラス(仮にミニと呼びます)と以下のサイズ(同じく超ミニと呼びます)は,ますます隆盛の感があります

その人気の理由を、マンションに住む人が増えたとか、盆栽人口の平均年齢が上がって
大きな鉢は重たくって扱いにくくなったから、という専門業者が多いですね

しかし私は、盆栽に拘る者として
近年における「ミニ盆栽界の技術の発達」という視点を忘れてはならないと思っています

昭和30年代の後半から40年代に興った盆栽大衆化時代のミニ盆栽界にも
幾多の名人上手が活躍していたし、名品もあったことは事実です

しかし、この20年ばかりのミニ盆栽界における技術の発達は眼を見張るものがあり
それは、当時と現代の作品とを写真帖で見比べてみれば納得していただけると思います(次の機会に)

一言でいうと、昔は、小さな鉢に植えられた小さな盆栽の
精一杯に生きる健気なさや愛らしさを表現するのが精一杯だったようです

ところが、培養技術も整形技術も格段に発達した現代ミニ盆栽では
大物盆栽に負けない、堂々たる力に満ちた模様木の姿も可能になりました

ということで、今年も優れたミニの素材を探しまくり
みなさんにご紹介するとともに、その改作に邁進したいと思っています


さて、今日ご紹介するのは、先日に頒布コーナーでご紹介した紅千鳥の素材

最初に出会ってから約半年間、値段の折り合いがつかなかったんですよ
その間、持ち主と出会うたびに辛抱強く値切りました

いいですか、相手を怒らせないように、紅千鳥の素質を素直に認めながら
その上で、妥当な値段(こちらの希望値段)にまけてくれ!
としつこく交渉し続けたんです(笑)


足元の拡大図、足元の幹径は6.0cmです
丸幹で傷っけがなく模様を振りながらコケているのが嬉しいですね

この立派なボディーをうまく使えば
堂々たる模様木になりそうです


白線から上はコケ順もなく模様も甘くなって平凡ですね
白線で切り戻してコケ順とボディーになじんだ模様をつけることにします

赤点は、芽の出る可能性、また芽の欲しい箇所
希望の箇所に芽が出ないときには呼び接ぎにより枝を作ります

芯を立てる予定の箇所に芽が出ないときは、呼び接ぎをしてから切ることもあり得ます


完成予想図、予定樹高は約9.0cm

現在ある枝で使えるのは1本だけでしょう
あとの枝は、胴吹き芽か呼び接ぎで作ることになります

ミニ盆栽において枝順は、一、二、三の枝までが特に重要なので
しっかりとその位置を決めるようにします

それと、せっかく短く切り戻した芯は間延びのした模様にならないよう、しっかりと模様をつけます
芯の作りようでは、全体の構図に緊張感を欠くことになりますから要注意

基本の骨組みを作るのに3年
そんなつもりで辛抱強く作りこんでください

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