尾張焼(瀬戸焼)の歴史は古く、安土桃山の時代以前より栄え
江戸時代には尾張藩の保護を受けたお庭焼としても有名です
盆栽鉢としては、幕末から明治期にかけての瑠璃釉の磁器鉢に名品が多いのですが
現代では、戦後の昭和30~40年代に製作された作品群も、かなりの評価を得るようになりました
それらもが年代の経過により、時代感を重視する盆栽界の評価に耐えうるほどに
渋く味わいの深い作品へと変化(進化)してきたと言うことです
みなさんがよく使う、「よくなったね」という言葉は、盆栽だけではなく盆栽鉢にも言えるのです
上手に長年使い込めば味わいが出て、「よくなる」んですね
尾張青磁染付外縁丸 間口15×奥行15×高さ8.3cm
昭和の30~40年代に作られたいわゆる大衆的な「型鉢」ですが、20年ほど前から徐々に評価が高まり始め
現代においては尾張焼の作品として、骨董的な価値が高まりました
なんといっても盆栽界においては
使い込みの時代感から来る「味わい」が珍重されるということですね
産出当初は3~5枚セットであり、その最小のものと推定されますが
現代まで伝わっているものの中では、この最小のものが一番少ないようです
この尾張鉢は案外にみなさんの身近で見ることがありますよ
古い家で、おじいさんがオモトや蘭を入れていたなんていうのが、縁側の下にホコリだらけで転がっていたりします
足付近から鉢底にかけて見ると、使い込みの年月の長さがわかりますね
おおよそ20年以上は使い放しでないと、これほどの時代感はつきませんよ
梅の花弁の白釉は浮彫のように盛り上がっています
これが尾張焼の特徴
反対正面にもすっかり味わいが出ています
縁付近の拡大図
縁付近の拡大図
足の部分の拡大図
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