2007年8月15日水曜日

楓ミニの基本構想

半完成または完成に近いもを、「素材」の段階まで切り込んで改めて作り直す
盆栽人にとって非常な楽しみなことです

与えられた素材の持っている素質を最大限に活かすためには
何よりも基本の構想が大切です


むっちりと量感のある立ち上がり、コケ順と模様に変化のある幹筋が出色で
さらには、差し出された一の枝に強い個性も感じられ、一目で優良素材であることがわかります

その優れた骨格を見抜いた私の親しい同業者が
気合を込めての改作の最中にあったものを、無理に譲り受けたものです

現在の葉先までのサイズは、樹高10×左右20cm
完成予想サイズはおそらく6.0cmくらいで収まるでしょう

画像で見るともっと大きなサイズに見えますね
そうなんです

いい木といわれるものの多くは、実際のサイズよりも大きく感じられるんですね
これも名木の条件です


骨格部分の拡大図

来春には白線の部分から各枝を切り詰めます
右から二番目以外の枝はすべて芽当りがあるので、芽だしの心配は要りませんね

二番目の枝も、その手前から吹きそうな箇所ですから
大丈夫でしょう

秋にかけて大いに樹勢をつけておいて
来春に一気に切り戻しましょう


中央の二枝の左側が芯になる枝ですが、真上に徒長させているのでこの枝も切り取り
白点の箇所に吹いた新芽を新しい芯として使います

ここがこの楓の、第一のポイントになります
向かって左方面に強く模様をとり、締りのいい芯を作りましょう

芯はその木の「顔」ですね
キリッと締まって、なおかつ愛嬌ある表情ですよ
ボンヤリした顔は人間でもいただけませんよ

一の枝の赤点の箇所に手前に向かって小さな枝が欲しいですね
枝に奥行きを出すためで、ここが第二のポイント

来春に吹かなければ、ここに呼び接ぎをかければいいでしょう
方法は貫通式でなく、普通の切込み式の方法にします


後ろ姿です
赤印の箇所に裏枝が欲しいですね

その下に不要芽がありますから、これを徒長させ
来春に呼び接ぎをかけましょう

では

0 件のコメント:

コメントを投稿