「子雀や 早く飛べ飛べ 親のもと」
是好さんが好んで書いた自作(?)の俳句です
雀の子といえば小林一茶の句、「雀の子そこのけ ~ 御馬が通る 」があまりにも有名ですが
手早く掻きあげた親と二羽の子雀の愛らしさに助けられ
この俳句まがいの文言も妙に説得力があり、全体に魅力的なものとなっています
この魅力は、豆盆栽をこよなく愛した是好さんの人柄と
長い人生経験から自然に醸し出されるものなのでしょう
子雀とそれを見守る母さん雀とがきっちり描き分けられています
省略された二羽の子雀の描写が可憐でとてもいいですね
色紙の裏には「八十三翁 中村是好 1983・10・30」と記されていますおり
最晩年の作品です
私が講師を務める千葉県松戸市内の盆栽愛好会には、晩年の約10年間位の間に何度もみえ
そのたびにかなりの数の色紙を会員さん達が購入したので、おそらく近辺に1000枚くらいは存在するはずと見当をつけていたのです
ところが、今回いざ本気で探してみると、案外に見つからない
100枚や200枚は軽く見つかると思っていたのがとんだ見込み違いでした
これには少々驚きましたね
原因を調べてみると、持っている方が高齢で亡くなったり、健在であってもどこかへしまい込んで行方を思い出せないでいたり
家の建て替えでしまつしてしまったりといろいろで、ほとんどは散逸してしまっているようです
改めて30年という歳月の経過を実感させられた次第です
そんな訳でやっと50枚ほど見つけましたが、おそらくあと5枚程度の目当てがあるだけで、その後の大量入手は難しい感じなので
私自身も所有している10枚の色紙を大切に保存するようにします
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