2005年2月8日火曜日

赤松・自然の味

この赤松は、いわゆる「山実生」といわれる、自然界に生えた実生苗の山採り素材を
25年もの歳月丹精したもので、置き場の事情から知り合いの愛好家が放出されました

赤松人気の秘密は、盆栽の持つ自然の風情を味わいたい
そんな盆栽人の強い願望の表われでしょう

赤松は野趣を表現するには最適といえる樹種で
締めた培養にもよく耐え、年古びた木肌の荒れややさしげで繊細な枝先に見どころがあります



これが黒松ならやはり力強さを目指した培養をするでしょうが
作者は赤松本来のもつ柔らかな雅味を求め、太り過ぎないように、鉢を小さく締め続けたのです

それが功を奏し、木肌は荒れて天然の雅味が色濃く滲み
人工の匂いはすでに跡形もなく、自然界にゆったりと佇む赤松の風情を楽しめます

盆栽においては、自然らしさの表現
そこにこそ究極の醍醐味があるのです

山採り素材が少なく、人工の実生や取り木などの生産手段に頼らざるを得ない現代の盆栽界では
どうしても造形の美しさへ目がいきがちですが、盆栽本来の「自然の味」、これをも大切にして頂きたい

この項、そんな思いで記しました



肌荒れの様子

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