2010年4月15日木曜日

ムロ出し一応完了

4月に入っても天候が定まらず気温が乱高下
春先の陽気の不順は毎年のことですが、今年は格別のようです

寒暖の差が10℃以上あると、暖かい日じゃ嬉しくなりながらもなんとなくかったるかったり
寒い日には真冬のように厚着で暖房したりと、けっこう自己防衛にも忙しい

だがとにかく、この季節の盆栽人にとっては
なんといってもムロ出しのことが頭から離れませんね

毎年3月中旬になるころから、習性として気にはなり始めるのですが
今年のように桜開花予報が大幅に外れるようだと、ムロ出しのタイミングが非常に難しい

暖冬のうえ早めとの桜開花予想が出て、今年は例年より早めのムロ出しかな、と思っていたら
桜の蕾が膨らみかけたころに思いがけない強風が2回も吹きました

そのあとは寒暖の差が激しい日々の繰り返し
これじゃたまらん!

とはいえ、盆栽たちの季節を計る時計は狂ってはいません
こんなめちゃめちゃな気候にもめげず、しっかりと時を刻んで春の爛漫を迎えつつあります

先週の土曜日(10日)にムロ出し完了
でも「一応」の但し書き付きは例年通りのことで、まだまだ油断はしていません

いつでも逃げ出す心の準備は怠ってはいけません

3月下旬のあの強風のように、4月に都心に雪が降ることだって過去にありました
突然なにが起こるかわかりませーん!


関東では最低気温が5℃くらいまで下がる日があるでしょうが
遅霜と強風が予想されない限り、このまま戸外でがんばるつもりです

ムロ出し直後でもっとも気をつけるのは、その遅霜と強風と乾燥です

強い風が吹いたら葉水をやってください
鉢の乾燥にも気をつけてくださいね

2010年4月14日水曜日

フリースクール速報・金雀花

盆栽としては珍し樹種に属する群れ雀(むれすずめ)をご紹介します
持ち主は、昨年の秋フリースクール速報に一番バッターで(真柏ミニ)登場したマユちゃんです

フリースクール速報一番バッターへ

この群れ雀はマユちゃんの主力の10㎝サイズのミニよりもちょっと大きめですが
毎年花を見るためには、やはりこれくらいの大きさが適当でしょう

群れ雀は一名金雀花(きんじゃっか)とも呼ばれ
盆栽界ではこちらを使う方が多いようですが、どちらもすばらしい命名ですね

水と肥料を好み丈夫な植物ですが、小枝が伸びやすい性質のため
盆栽としてこのような小品サイズの骨格にまとめ上げるのは、案外難しいのですが

いちど出来上がってしまうと後の管理は切り込みだけなので
樹形の維持がぐーんと楽になります

花後に昨年の枝まで深く追い込み
夏の水を切らさないように管理します

また、初夏から夏にかけてぐんぐん徒長しますが、まったくの無駄枝以外の剪定は我慢し
晩秋に浅く切り込みをして春の開花を待ちましょう

夏季に徒長枝の先端をちょこちょこ摘むと
来春の花芽は期待できませんよ


2010/04/11撮影 樹髙12×左右20㎝

とぐろを巻いた根のおもしろさを利用した懸崖式
持ち込みにより最初は黒っぽかった木肌も、やや灰褐色を帯びて古色感がにじんできました

小さめの鉢を選んだので夏の水やりがたいへんでしょうが
堀江美功鉢の水色と鶴丸の赤とが、鮮やかな花の黄色をさらに引き立てています


花弁が開くと蝶形の鮮やかな黄色です
背景となる葉の深い緑もいいですね


灰褐色を帯びつつある根
持ち込みの効果が徐々に現われてきましたよ


後ろ姿

それではまた!

2010年4月5日月曜日

真柏取り木発根

取り木の魅力は、なんといっても早ければ半年
遅くとも1~2年で優秀な素材をゲットできることです

価格的にも、うまくすればタダ
購入したとしても取り木完成後と比べれば、材料の時点では超格安ですね

ですからその経験者は、常日頃から好素質の取り木材料をさがしています
取り木が成功したときのお得感はとうてい忘れられませんからね

そういうことで、昨年の春に出会った真柏10㎝サイズの好材料も
先日ムロ出しのさいに改めて検証したところ、11本在庫がある中の10本に発根が認められました

やったー、こりゃー、いけるぜー!
たちまち元気が出て、勇躍みなさまにお知らせするしだいです

昨年春の取り木作業  

そのとき、こんごの培養管理として

1 日当たりのよい置き場を選び、多肥多水を心がける

2 夏までは枝葉を切らずに十分に徒長させ
  夏に軽く枝に針金をかけて枝の基本を作ります

  その場合、必要な枝の先端は切らずに
  伸ばしたままで枝を太らせます

3 来春に軽い剪定を行い、さらに夏から秋まで徒長させる

4 来秋に発根状態を確かめながら親木から切り離します

5 本格的な植付けは越冬したあとの春先に行います

と申し述べましたが、(2)の軽く針金をかけて枝の基本を作る、の作業については
樹勢を上げて早めの発根を促すことを優先させたため、省略しました

そのもくろみがみごとに的中し、早めの発根という結果につながったようです
さて、それでは点検してみましょう


昨年春に取り木作業終了時の画像


一作(いっさく)後の今春の画像

昨年取り木後は(1)のように、日当たりのいい置き場で
どんどん水と肥料をやって肥培しました

真柏の取り木(針金結束式)は、枝葉で作られ根に送られる養分を針金でせき止め
その溜まった養分がはけ口を求めて発根に至るわけです

ですから、とにかく肥培が肝心で
やせているようでは発根はおぼつきません

枝葉はできるだけ多く繁らせましょう


赤点の場所が新しい芯の予定(完成予定樹髙は10㎝)
矢印は皮を剥いてジンにする予定です


ビニール内部が乾いているとわかりにくいのですが、水をやって濡れると見えやすくなります
つやつやの新鮮なモヤシみなたい根が見えますね

ほんとに根なのかなー?


ビニールをソーットめくってみましょう
まちがいなく、根っ子でしたー!

感動ですね

ただしですよ
手でさわってはいけませんよ

とくに根の先端の成長点に触れると
繊細な細胞が壊れて生育に支障をきたします

ソーットもとへ戻しておきましょう

今年もがんがん肥培して根の成長を促進させ
(3)で予定の剪定は入梅頃に実行するつもりです

この真柏を次にご紹介するのは、切り離し予定の秋になるでしょうね
それでは

2010年3月30日火曜日

黒松の植替え2

さて、それでは植付けにかかりましょう


ゴロ土を一重半(ひとかさねはん)くらいの厚みに敷く
ゴロ土の粒の大きさは4ミリ~6ミリくらい


植え土をごく薄目に敷く(厚いと低い植付けが実現しません)
植え土の粒の大きさは2~4ミリくらい

ポイント1・みなさんは心配しますが、底に敷く土の量はごく少なくていいのですよ

なぜなら、盆栽は長い鉢内の生活に慣れていて、その上根(うわね)で生命を維持しています
底の根からは案外水を吸っていないんですよ


あれ、れ、れ、れッ、根っ子に打たれたこの釘はなんだ!?

先ほど植付けのシミレーションをしたときに、前後の針金を結ぶ位置が傾斜面のため
縛った針金がズレ落ちてしまうことが判明したので、ズレ防止用に急きょ打ち込まれた釘でした

ポイント2・初心者の植替え不成功の原因に、あんがいにこの根の結束が緩い場合が多く
その怖さを知っているベテラン愛好家は、さまざまな工夫をして独特の根の結束のテクニックを身につけています


盆栽の据え付け
一度据え付けたあとはグラグラ揺らしたり移動しないこと

ポイント3・もし移動する場合は、ゴロ土を敷く段階から再びやり直すこと
この段階の作業が今後数年間の、この黒松の生育に大きな影響があるのですから、そのくらいの慎重さは当たり前(重要)


ヤットコでしっかり固定
ペンチは先端が平たくごついので使いにくい

ポイント4・固定したあとでグラットもしないように結束する


こんな感じです


植え土を入れる

竹箸や竹棒での植え土の落ち着かせ方は
真柏の植替えの項1・2を参照してください


表面に化粧土を敷いて作業終了です

黒松植替え1

”水かけ三年”ということばがありますが
植替えだって完全にマスターするには三年、五年とかかる大切な作業ですね

実際にやってみると、樹種による植替え適期や間隔や用土など、一般論だけでは乗り切れない困難に遭遇します
それは、植替え作業はたんに盆栽の健康面からだけでなく、鑑賞面も考慮に入れなければならないからです

要するに基本をしっかり押さえながら経験を積み、いろんな場面を経験し
その場その場の工夫を重ねていくことでしょう

それでは、今日は黒松の小品を植替えてみましょう
みなさんはここでも新たな見聞を広める機会に出会うはずです

しっかりと勉強して自分の知識としてください


水色の釉薬がかかった楕円鉢に入った黒松

ポイント1・一般的に松柏類は焼締鉢を使います
その理由は、松柏には渋めの雰囲気が似合うから、それと、水はけの関係です

ポイント2・現在の植え方は少々高植えになっているので落ち着きがありません
もっと低植えにしてやりましょう


いきなりですが、作業後の姿です

ポイント3・約2センチほど低い植付けにしました
いかがですか、腰が低くなり雰囲気が落ち着いた感じになったですね

ポイント4・幹を思い切って右に傾けて植付けました
一の枝に力強さが出て姿が凜としました

さて、結論は出てしまいましたが、それまでの課程をじっくりと振り返ってみましょう
ポイントをしっかり押さえてくださいね


竹棒やナイフ、小鎌などを使って根を抜く


ポイント5・鉢内の土がやや湿っているときには、半日ばかり乾かそう

植替え予定の盆栽は作業前に水をやや切らせておくのが定石です
湿っていると土を落としにくいし、残す土も泥団子状になって水はけが悪くなります(重要)

余談ですが、盆栽歴30年からの市内の愛好者で、このポイントを知らない人がいました(驚)


鉢土が半乾きになりました、それでは作業再開
植付け角度や植付けの高さなどをあらかじめ検討しておきます


低い植付けが目的なので、まず底の部分から裁いていきましょう


竹棒とハサミを交互に使って根を裁いていきます


古い根の奥にさらに以前の赤玉土の塊が見えます
まだまだ攻めます


予定の高さまではもう一息のようです
この時点においてもまだ根の周囲の土はそのままです

ポイント6・根を裁く順序をしっかり守ること
今回は低植えが最大目的なので、底根を先に攻めて側面は後回しにすること

その理由は、順序よく根を裁かないと作業終了間近には
根がばらばらになってしまい、植付けやその後の生育に悪い影響を与えるから


鉢底に横に走った根がなくなるまでさらに攻める


最後に側面の根と古土を裁いて完成です


土を入れる前に植付け角度や高さをしっかりシミレーション

ポイント7・作業を急ぎすぎてはいけません
後で後悔してやり直すよりも、納得がいくまで事前に検討すること

つづく

2010年3月24日水曜日

真柏の植替え2

さて、根さばきがおわったら植え込みにかかりますが
その前に、松柏類の用土(植え土)についてポイントを箇条書きにまとめてみましょう

ポイント4 用土(植え土)について

1 赤玉土は硬質で品質のいいものを使おう、少々高価でも盆栽の健康には代えられない

2 混ぜる砂は、矢作砂、桐生砂、富士砂など個人や地域によって好みがあるので自由です

3 赤玉土と砂の混合の割合もかなりの個人差がありますが、基本的には6:4~7:3くらい

4 フルイは絶対の必需品です、網目のサイズ 2、3、5、7、9ミリの5種類は最低必要

5 用土は、ゴロ土、植え込み用、化粧土の3種類にふるい分けます 
  その粒の大きさは、鉢のサイズや深さによって異なってきます

6 ふるい分けて市販されている赤玉土でも、2ミリのフルイでミジンを抜いてから使います(必須)
  高品質のものでも保存や運搬の課程で、けっこうミジンが出るんですよ


鉢底にゴロ土を敷く、一重(ひとかさね)から一重半(ひとかさねはん)くらいの層の暑さ(鉢の深さにより調節する)
この場合のゴロ土の粒の大きさは、7ミリのフルイを通してから5ミリ網目に残ったもの


植え土を適度な厚みに敷きつめる
粒の大きさは、5ミリの網目を通してから2ミリのフルイでミジンを抜いたもの(赤玉土7:桐生砂2:竹炭1)


木の据え付け位置が決定したら、その後は絶対動かさないこと
針金でしっかり締めて動かないように固定する(道具はペンチよりもヤットコの方が使いいい)

ポイント5 固定用の針金について

針金が細すぎると緩みやすい
また、固定する位置が斜めで緩みやすいときなどは、画像のようにズレ防止のクサビなどを工夫する


鉢の半分くらいまで植え土を入れてる


竹箸の使い方の悪い例

このように竹箸を立てて突くと土は奥まで入っては行くが
奥の根を浮かせてしまったり、かえって土が落ち着かない傾向がある


竹箸の使い方のいい例

竹箸をやや斜めに寝かせてながら前後に揺すり
奥に空洞のないように土を落ち着かせるようにします


植え土は鉢の縁まで満タンに入れないこと
八分目ほどにしてあとの一文目は、3ミリの網目を通して2ミリ目に残った化粧土を入れる


植替え作業終了

表土を落ち着かせるための水苔はごく薄目に使いましょう

ポイント 水苔の使い方

化粧土が入ったら鉢穴から抜ける水がきれいになるまで灌水し
細かくほぐした水苔を表面に薄く散らし、余分は息を吹きかけてて飛ばしてしまうといい

ポイント 植替え後の置き場と管理

春の気候は変動しやすいので、1週間から10日くらいは風当たりの少ない置き場で管理する(日には当てた方がいい)
植替え直後の水切れは厳禁、葉水をやりながら気を遣ってやりましょう

2010年3月23日火曜日

真柏の植替え1

真柏は、春は2月から4月の上旬、秋には9月中旬から10月にかけてと
一年を通し長い期間の植替えが可能な樹種ですが

そうはいっても、秋の植替えは冬中の管理が大変なため
通常は、その後の管理が楽な春の植替えをお勧めしています

ということで、今日は3月23日
適期の真っ最中ですね

さっそく樹髙20㎝のやや完成に近い真柏を教材にして
植替えの基本からじっくりと勉強してみましょう

植替えは盆栽道のもっとも基本的で大切な作業の一つ
初心の愛好家さんはよく読んでしっかりマスターしてくださいよ


樹髙20㎝の真柏、ふつう松柏類の植替え間隔は、3年に1回くらいが目安といわれています
この真柏の前回の植替えは2007年ですから、今春が予定年になるわけですね

★ポイント1 3年に1回というのは中2年ということ(これが案外間違いやすい)
ちなみに、オリンピックは4年に1回なので中3年ですね


鉢底に廻した固定用の針金を外し、鉢から根を抜きました

同時に根の健康と生育状態を確認しておくことも忘れないこと、この真柏の根は健康そのものです
また、このようにゴツイ太根が見られず細かく分岐しているのことも盆栽として大切なこと


植替え間隔や鉢の形状により、楽に抜けるとは限りませんから
作業用の竹箸や根切り用のナイフや小鎌などを用意しておきましょう


あらかじめ鉢に底網を装着、固定用の針金も準備しておきます


今までと同じ鉢に、左右や高低の具合を同じように植付ける場合は
まず根元から根ほごしを初め、徐々に周囲を崩していきます

また、高植えになっていたものを低植えに直したい場合は、根の底部を最初に切り崩すなど
上部、側面、底部などの根ほごしの順番を変更するといいでしょう

★ポイント2 上部、側面、底部の根ほごしの順番はケース・バイ・ケース
新しく使用する鉢の大きさ、植付け角度、植付けの高低などにより各自が工夫すること


底部の根ほごしは、特にていねいに行います
そして、図のように底部を横に這っているやや太めの根はできるだけ切ります

初心の愛好家さんの多くは、この底部の根ほごしが足りないひとがほとんどです
慎重にやる作業ですが、大胆さも必要ですよ


このように底部に横に這っている根をすっかり取り除いて、この作業は完成です

★ポイント3 底部の根ほごしは、横に這っている太めの根を取り除ける位置まで攻め込むこと

つづく

2010年3月20日土曜日

山もみじ大改作・思い切って素材に戻す

近隣でたまに開かれる愛好家同士の交換会で
盆栽友達に処分を頼まれたという山もみじを、市内の親しい愛好家Yさんから買いました

友達が購入した値段を知っているYさんは、つけられた安い価格にかなり困っていましたが
購入当時の姿からみるとかなり荒れているので、仕方ないとも思ったようです

ところで、いつも不思議に思うことですが、このような掘り出し物を見ても
30人からの参加者の中にほかに買手がいないことですね

骨格さえしっかりしていれば、山もみじなどはいちど素材にもどして作り直しながら十分に楽しめるんですね
骨格の基本ができるまでには3年くらいはかかりますが、その課程の楽しみは有り余るほどですよ

みなさんは完成までの時間がもったいないのか
それともこの好素質を見抜けないのかわかりませんが、もったいないですね

盆栽をやるひとは気を長く持たなきゃいけません
盆栽時間は最小単位で1年、その先は3年、5年と数えるんです(笑)


盤状に発達した根張りがみごとで、さらに根張りの上部の足元の直径は7.5㎝もあり、堂々とした幹筋です
ただ幹の中間から上が鶴の首のように長すぎますし、枝順が無秩序で各枝のフトコロ芽もなく単調ですね

ようするに、根張りと中程までの幹筋のよさだけが光っていて
全体の姿がばらばらで統一感が失われているんですね

ですから、この長所のみを活用し不要なところは切り捨て
改めて素材から作り直せばかなりの見込みがあります

盆栽の基本樹形作りは、まず思い切った取捨選択から始まるのです
(なおこの山もみじは10日ほど前に根洗いをして植替え済です)


高さ15㎝にある赤点の芽が、新しい芯として予定されています
立ち上がりの幹の直径はなんと7.5㎝もあります


左の一の枝は枝元だけ残して使い、あとの枝はすべて切り取ります
白点の胴吹き芽は新しい芯として予定していますから、現時点では焼け込みを用心して、その上部をやや残して切り取ります


赤点が芯として活用する芽
他の白点は胴吹き芽が吹く可能性が高い箇所です


来年の入梅頃の予想図

左の二の枝は胴吹き芽が期待できないので、呼接ぎによって作るつもりですが
あとの枝はほとんど予想図のようにできるでしょう

それでは