2010年3月20日土曜日

山もみじ大改作・思い切って素材に戻す

近隣でたまに開かれる愛好家同士の交換会で
盆栽友達に処分を頼まれたという山もみじを、市内の親しい愛好家Yさんから買いました

友達が購入した値段を知っているYさんは、つけられた安い価格にかなり困っていましたが
購入当時の姿からみるとかなり荒れているので、仕方ないとも思ったようです

ところで、いつも不思議に思うことですが、このような掘り出し物を見ても
30人からの参加者の中にほかに買手がいないことですね

骨格さえしっかりしていれば、山もみじなどはいちど素材にもどして作り直しながら十分に楽しめるんですね
骨格の基本ができるまでには3年くらいはかかりますが、その課程の楽しみは有り余るほどですよ

みなさんは完成までの時間がもったいないのか
それともこの好素質を見抜けないのかわかりませんが、もったいないですね

盆栽をやるひとは気を長く持たなきゃいけません
盆栽時間は最小単位で1年、その先は3年、5年と数えるんです(笑)


盤状に発達した根張りがみごとで、さらに根張りの上部の足元の直径は7.5㎝もあり、堂々とした幹筋です
ただ幹の中間から上が鶴の首のように長すぎますし、枝順が無秩序で各枝のフトコロ芽もなく単調ですね

ようするに、根張りと中程までの幹筋のよさだけが光っていて
全体の姿がばらばらで統一感が失われているんですね

ですから、この長所のみを活用し不要なところは切り捨て
改めて素材から作り直せばかなりの見込みがあります

盆栽の基本樹形作りは、まず思い切った取捨選択から始まるのです
(なおこの山もみじは10日ほど前に根洗いをして植替え済です)


高さ15㎝にある赤点の芽が、新しい芯として予定されています
立ち上がりの幹の直径はなんと7.5㎝もあります


左の一の枝は枝元だけ残して使い、あとの枝はすべて切り取ります
白点の胴吹き芽は新しい芯として予定していますから、現時点では焼け込みを用心して、その上部をやや残して切り取ります


赤点が芯として活用する芽
他の白点は胴吹き芽が吹く可能性が高い箇所です


来年の入梅頃の予想図

左の二の枝は胴吹き芽が期待できないので、呼接ぎによって作るつもりですが
あとの枝はほとんど予想図のようにできるでしょう

それでは

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