盆栽素材をゲットするには、実生、挿し木、取り木、接ぎ木、根伏せなどいろいろな方法がありますが
ミニ盆栽を比較的短時間で仕立てるには、なんといっても取り木が便利ですね
早春もしくは入梅ごろに施術しますが
気の早いひとは9月ごろには台木から外してしまう人もいるくらいです
この出猩々は昨年の春に取り木をかけました
樹髙はわずかに5.0㎝、太さは人差し指くらいです
さて今日は晴れて親からの独立の日
ポイントをしっかりおさえ自立の道を歩めるようにしてやりましょう
下の黒っぽい層が従来の地表で、上の茶色い層が取り木をかけたときに盛った赤玉土、その上に薄く水苔の層が見えます
発根した根は従来の表土の中にも食い込んでいますが、食い込んだ先端は不要ですから
赤玉土の層の下から切り離します
この作業には小さな盆栽用のノコギリがあれば便利です
このように切り離します
まさに親離れの第一歩!
発根した根を傷めないように足元の水苔を少しずつ取り除く
この水苔はあらかじめ細かく切ったものをしようしているので、根を傷めずにわりと容易に取り除くことができます(重要)
途中経過です、ここで作業をやめてはいけません
すっかり水苔を取り除くまで続けます
見た目にはいっぱい根があるように見えても
その多くは複雑に絡み合っているだけなので、足元から発根している必要な根だけを残すようにします
切断面を観察します
切断面の上部の黒っぽく変色しているのは、環状剥皮した箇所
その上の生き生きした茶色の部分は、剥皮によって形成されたカルス
新しく根張りとして必要な根だけを残し、
それらが伸びて絡み合っていた先端はすべて除去します
また新しい盆栽の根の底部にあたる箇所は
なるべく短めに切り詰め、さらにカルスの形成により完全に肉巻きするように処理します
この処理を怠ると、長い年月には底部から幹の中心部のかけて腐食してウロとなり
樹勢に大きな影響がでてしまいます
底部の切り口に癒合剤を塗ることも忘れないように
さらに根張りの高さをそろえるために根を一本切りましたよ
怖がったり根の数を惜しんではいけません
初心の方は、これで大丈夫!? とご心配しているでしょうが
だいじょぶですよ
余分な根を残さない方がいいですよ
もう親からの養分をもらえないので、この出猩々は必死に自立しようと頑張るんです(人間の子供だって同じ・過保護はいけません)
生き残るために、今は発根していない箇所からも根を出そうとがんばるんですね
数本の根でもかならず力強く生き抜いてくれるでしょう
鉢底にたっぷりゴロ土を入れ赤玉の小粒のみで植え込みました
こんごの生育も追跡してお知らせしましょう
では!
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