しばらくぶりに昭和36年発行の「盆栽記念帖(白石山房百楽翁)」をめくってみる。昭和36年という年代を振り返ってみれば、敗戦からの痛手から脱却の途についたとはいえ、未だ今日のような盆栽大衆化には程遠い時代だと思います。いってみれば未明を過ぎてようやく明け方に近づいた夜明け前の時代といえましょう。
この記念帖の前後に発行された他の記念帖も盆栽界に残されていますが、そのほとんどは大家と呼ばれる大収集家の売り立て用のカタログのようです。それにしても、今日となると貴重な資料でね。
現代のカラー画像があたり前の時代から見ると、白黒の素朴極まりない写真帖ですが中身を見るとびっくりするほどの名品の山ですよ。まったく驚きの内容ですね。
上は天下の名品、真葛香山と小野義真との合作「旭波」
下は「渋草焼」の赤絵丸です。
ちなみに竜にもいろいろと呼び名があって、この渋草焼の竜は「雨竜」と呼ばれています。
あまりにも有名な「古渡絵紫泥楕円」、現在では東福寺作品の絵紫泥鉢などと5枚セットになって紹介されている作品です。
竹本正方と下は同じく八角鉢。
特に上の正方鉢は竹本鉢特有の青磁釉を施した上に詩文を書いています。
詩文の書かれた六角鉢。
詩文入り竹本正方鉢。
平安東福寺作の絵付け楕円鉢二点。
井上良斉。きっと釉薬は黒蕎麦でしょうね。
これほどの名品が無造作に載っています。豪勢ですね。薄っぺらな冊子の数ページを紹介しただけでこれだけの名品が載っているのですから!
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